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デジタルマーケティングコラム

【コラム8-2】 ページ速度の業界標準値に関する考察 (2)現状と目的、手段の具体化

それでは、(1)〜(3)をどうやって具体的な要件に落とし、何を計測し、何をどうやって実現していくべきかについて考えていこうと思います。

 

(1)ピークになると3倍以上の時間がかかっていたページが2倍以下に改善され離脱が減る。

 

この目的を分類すると下記の内容を明らかにする必要が出てきます。

 

(1)-1 ピークとは?ピーク時の表示時間とピーク外の表示時間
(1)-2 3倍とは具体的に何秒なのか?
(1)-3 3倍の時の離脱数と2倍の時の離脱数
(1)-4 表示が遅いときに何に時間がかかっているか(ボトルネック)

 

皆さん、アクセスのピークがどこにどのくらい存在し、非ピーク時に比べてどの位の遅延が発生しているかご存知ですか?
また、自社のサイトにおける重要なページの通常時の表示時間とピーク時の表示時間がどのくらいなのかを把握されているでしょうか?
そして、ピーク時の離脱率を把握されているでしょうか?

 

下のグラフはあるEC最大手のWebサイトのトップページを1時間に1回、1ヶ月間計測したグラフです。


 


グラフの波形をみただけでも、下記のことがわかります。


・ベースとなる通常時の表示時間が3〜4秒となっている。(緑色部分)
・5時前後、18時前後、22時前後に表示時間が極端に遅くなっていることがわかる。
(これはグラフの表示からはわかりませんがスパイクの時間を確認することで可能です)
・表示時間の遅延が2倍〜最大3倍以上(12.3秒)となっている。(赤色部分)

 

一目瞭然ですね。

 

あとは、アクセスのピークとそのときの離脱率を皆様お得意のアクセス解析結果から導き出して、上記の時間帯と合致しているかどうかを確認するだけで、(1)-1〜3までを簡単に数値化(視覚化)することが可能になります。
もちろん、表示速度の計測と一緒にアクセス数や離脱率を計測する方法もありますので、それについては、別の機会にご紹介いたします。

 

次に、表示速度の改善方法ですが、ピーク時あるいは非ピーク時に大幅な遅延が発生しているとき、どの処理に時間がかかっているかが確認できれば、とるべき対処はおのずと明確になります。
これもまた、当たり前だとおしかりを受けてしまうかもしれませんが、この当たり前の事を視覚化するというのがなかなかできないというのが、皆様のお悩みなのではないでしょうか?

下のウォーターフォールチャートは3.85秒(通常時)と4.85秒(異常時)各オブジェクト毎の処理時間を示したものを部分的に表示したものです。
最も違いが出ているのは、ブラウザからオブジェクトダウンロードのリクエストを受けてから、実際のダウンロードが始まるまでの待ち時間 (ファーストバイトタイムと呼ばれる) です。
通常時にくらべて異常時のほうが、ほとんどのオブジェクトにおいて、明らかに長くなっている事がわかります。(赤枠部分)
つまり、ここまでの内容で、「通常時と異常時(ピーク時の場合が多い)の違い」と「異常時のボトルネック」が明確に視覚化されたことがわかります。

このケースの場合、何らかの要因により負荷が増大してWebサーバーのリソース不足が発生している場合がほとんどです。

 

■3.85秒(通常時)

 


■14.85秒(異常時)

 


対処としましては、負荷増大の要因を排除するか、Webサーバーの処理能力を増大させるかのいずれかが考えられます。


負荷増大の要因としては
・アクセス数の急増
・ログイン認証や決済など負荷の高い処理の集中
・悪意のある攻撃

などが考えられます。

 

また、処理能力の増大方法としては、
・上位機種へのリプレイス
・台数の増設
・キャッシュサービスなどの採用
・負荷の高い処理の軽量化

などが考えられます。

 

原因と対策については、費用対効果、所用期間などによりご判断いただくとして、上記のいずれかの手段をとっていただくことで、異常時の表示速度は明らかに改善されると考えられます。

 

いかがだったでしょうか?
今回のテーマである

 

(1)ピークになると3倍以上の時間がかかっていたページが2倍以下に改善され離脱が減る。

 

これが、
正常時と異常時の実態を明らかにすること。
その上で異常時のボトルネックが明確になることで、明らかな根拠をもって対処することができるということをご理解いただけたかと思います。

 

次回は同様の考え方を元に、(2)、(3)について競合他社との比較などについてご紹介したいと思います。



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