これまでの章で、テレビ会議/Web会議システムは、ネットワークと端末の進化により、いつでもどこでも誰とでも、遠隔ミーティングが行える環境が整ってきました。また、政府の働き方改革などのイニシャティブや社会におけるテレビ会議/Web会議システムに対する認識が好意的になってきたことも重なり、これから本格的な普及期へと入っていくと期待されています。
テレビ会議/Web会議システムは、従来、会議室で行うものというイメージが80年代から今日まで長年の間広く社会に浸透していました。しかし、ここにきて、単に会議のためのものだけでない利用状況が生まれてきました。
最近の利用トレンドの特徴を上げると3点あります。
最新のテレビ会議/Web会議システムは、人が介在し双方向の意思疎通や共同作業が発生する場面において有用なコミュニケーション/コラボレーションツールとして成熟してきましたので、目的やコスト・効果を勘案してメリットがあればどこでも活用できます。
一方、ビジネスツールとしての位置づけで見ると、語学学校、窓口対応、外国語通訳、手話通訳、専門家相談などさまざまな活用方法が登場してきています。一般のユーザ企業が、自社のビジネスモデルの中にテレビ会議/Web会議システムを取り入れてサービス展開などを行うケースが増えてきているのはこれまでの遠隔会議市場にはあまりない興味深いムーブメントと言えるでしょう。
テレビ会議/Web会議システムは会議室で使うものというイメージは変わってきています。そもそもテレビ会議システムが大掛かりな装置で会議室にどっしりと鎮座していたことからそういったイメージが定着したのかもしれませんが、現在は、ノートPCやスマートフォン/タブレットなど持ち運ぶことが可能になりましたので、自席や打ち合わせ卓、出張先、自宅などさまざまなところで使えるようになっています。
それでは、どういったシーンで活用されているのか、「社内での活用」と「ビジネスツール」という視点からいくつか代表的なものをご紹介しましょう。
ユーザから受けるテレビ会議/Web会議システムについての質問で多いのは、どういったシーンで活用できるのかという質問です。しかし、これまで説明させていただいたように、人と人とのコミュニケーションが発生する場面では基本的にいつでもどこでも誰とでも活用できるものです。基本的にこの場面でなければ使えないという制限はありません。