コモディティ化


これまでの章で、テレビ会議/Web会議システムは、ネットワークと端末の進化により、いつでもどこでも誰とでも、遠隔ミーティングが行える環境が整ってきました。また、政府の働き方改革などのイニシャティブや社会におけるテレビ会議/Web会議システムに対する認識が好意的になってきたことも重なり、これから本格的な普及期へと入っていくと期待されています。

テレビ会議/Web会議システムは、従来、会議室で行うものというイメージが80年代から今日まで長年の間広く社会に浸透していました。しかし、ここにきて、単に会議のためのものだけでない利用状況が生まれてきました。
最近の利用トレンドの特徴を上げると3点あります。

(1)人と人とのコミュニケーションが発生するシーンではどこでも活用が可能になっている

最新のテレビ会議/Web会議システムは、人が介在し双方向の意思疎通や共同作業が発生する場面において有用なコミュニケーション/コラボレーションツールとして成熟してきましたので、目的やコスト・効果を勘案してメリットがあればどこでも活用できます。

 

 

一方、ビジネスツールとしての位置づけで見ると、語学学校、窓口対応、外国語通訳、手話通訳、専門家相談などさまざまな活用方法が登場してきています。一般のユーザ企業が、自社のビジネスモデルの中にテレビ会議/Web会議システムを取り入れてサービス展開などを行うケースが増えてきているのはこれまでの遠隔会議市場にはあまりない興味深いムーブメントと言えるでしょう。

(2)会議室からさまざまな業務、ロケーションで活用できる

テレビ会議/Web会議システムは会議室で使うものというイメージは変わってきています。そもそもテレビ会議システムが大掛かりな装置で会議室にどっしりと鎮座していたことからそういったイメージが定着したのかもしれませんが、現在は、ノートPCやスマートフォン/タブレットなど持ち運ぶことが可能になりましたので、自席や打ち合わせ卓、出張先、自宅などさまざまなところで使えるようになっています。

(3)ユーザが新しい使い方を作り出す時代になってきた

テレビ会議/Web会議システムは、大企業から中小・フリーランスまで組織の大小を問わず、コストや目的に応じて、さまざまな製品・サービスを選べるようになってきたので、たとえば、語学や通訳サービスなど主に顧客サービスを提供する企業を中心に、テレビ会議/Web会議システムを組み合わせた新たなビジネスモデルを作り出してきている企業が増えてきています。

それでは、どういったシーンで活用されているのか、「社内での活用」と「ビジネスツール」という視点からいくつか代表的なものをご紹介しましょう。

社内シーン

まずは、社内での活用において、昔よく言われていたテレビ会議システムは役員が使うものというイメージはなくなりました。Web会議システムも合わせ、役員会議から担当者まで社内のあらゆる会議での活用ができます。取締役会や社内研修/教育、常時接続(拠点間)での活用は久しく紹介されていますが、昨今のグローバル化によって、役員や社員が国内や海外に点在しているケースが増えているため本格的に広がっているようです。また、テレワークや遠隔面接、Web営業などは新しい利用方法として最近かなり注目されています。加えて、工事担当者や警備員など工事現場から会社に報告するためのツールとしての活用も見られるようになってきています。


ユーザから受けるテレビ会議/Web会議システムについての質問で多いのは、どういったシーンで活用できるのかという質問です。しかし、これまで説明させていただいたように、人と人とのコミュニケーションが発生する場面では基本的にいつでもどこでも誰とでも活用できるものです。基本的にこの場面でなければ使えないという制限はありません。

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