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第6回 ナレッジ分析

この連載コラムでは、ECを運営する企業が、ECシステムに蓄積されたデータを活用するための分析テクニックを全7回にわたって解説します。

第6回の今回は、商品購入後の商品評価データを分析し、潜在的な顧客ニーズを発見する『ナレッジ分析』について解説します。

ナレッジ分析のデータモデル

ナレッジ分析は、


  • ・商品購入以外の顧客の活動履歴を基に、
  • ・サイトの活性化や実際の購買につながる潜在的な顧客ニーズを発見することを目的とした

分析です。


たとえば、購入した商品の感想を顧客がサイトに書き込める機能を提供し、そこに蓄積されたデータを利用して商品評価分析を実施することなど、PULL型のアンケート情報を利用した分析が考えられます。
下記は、ナレッジ分析のデータモデルの例です。このデータモデルを使用して、顧客による商品評価分析を行なってみましょう。


ナレッジ分析のデータモデル

顧客による商品評価分析

ECサイトにおいては、購入した商品に対する感想や自分なりの点数をサイトに書き込むことができる、いわゆる「口コミ」「商品レビュー」の機能を持つサイトがほとんどです。
サイト管理者のコメントや宣伝ではなく、あくまでも同じ購入者側の意見が確認出来るという点で、購入時に重視している顧客も多いでしょう。

このコラムで例に出しているリカーショップのサイトも、このレビュー機能を持っています。
このサイトでは「購入した商品の感想」と「5点満点での満足度」を掲載しています。顧客の評価が点数化されているため、分析に利用しやすいデータが蓄積されているというわけです。

ではさっそく、この蓄積データを利用して、商品評価分析を行なってみましょう。はじめに、男女別の商品評価を見てみます。
下の表は男女別に見た購入商品の平均評価点が4点以上の日本酒をリストアップしたものです。男性の場合、平均評価点が4点以上の日本酒は5銘柄ありますが、女性の場合は4銘柄となっています。順位や銘柄数こそ違いますが、人気のある日本酒は男女ともおおよそ共通していることが分かります。

全会員:男女別平均評価点(4点以上)


次に、優良顧客セグメントに限定した平均評価点リストを出してみます。こちらも平均4点以上のものをリストアップしてみます。


優良顧客のみ:男女別平均評価点(4点以上)


優良顧客のリストでは平均4点以上の評価を持つ商品が、男性の場合8銘柄、女性では7銘柄と、一般顧客のリストに挙がっている商品よりも多いことが分かります。
これは高い評価をしている商品、つまりお気に入りの商品が優良顧客の場合1人につき複数あるか、または好みが人によって分かれているかのどちらかだと推測できます。また、リストアップされている商品を見てみると、一般顧客に人気の商品は優良顧客の間でもやはり人気であることが分かるでしょう。このことから、一般顧客に人気の商品群と優良顧客に人気の商品群の関係は次のような包含関係にあるといえるでしょう。


一般顧客と優良顧客の人気商品の関係


このような結果を受けて、リカーシップでは「優良顧客に評価がいい商品=一般顧客にも受け入れられる可能性が高い商品」という仮説を立てました。
この仮説については検証する必要がありますが、これが正しかった場合、「一部の新商品については優良顧客に対して先行販売を行う。その中で特に評価が高かった商品については一般顧客に向けて販売する際、優先的にキャンペーンを行う」といった施策をとるといった判断材料にすることも出来るでしょう。

今回は、商品購入後の商品評価データを分析し、潜在的な顧客ニーズを発見するナレッジ分析について解説しました。次回は、マーケティング活動に対する顧客の反応を分析し、活動の効果を検証するeマーケティング分析について解説します。

 

本Webサイトではこの他にも様々なデータ活用のテクニックをご紹介しています。ぜひご覧ください!


 

 

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