【コラム】 8.インタビュー


 

Web会議システムは新たなステージに入りました。映像・音声が十分ではないといった長年のネガティブなイメージを払拭し、企業にとって使えるコラボレーションツールに進化しました。しかし、一方でWeb会議システムに参入する企業が増えてきています。その中で、最近、注目を浴びているAdobe Connectウェブコラボレーションツール。2016年ガートナー社のWeb会議評価レポートにおいて9年連続「リーダー」の評価を獲得しました。このインタビューではAdobe Connect(アドビ コネクト)の魅力に迫ります。

質問:まずはサムライズについて教えてください

サムライズ: 2006年、三菱商事と日本IBMの合弁会社であるアイ・ティ・フロンティア(現在の日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社)のソフトウェア事業部を分離し、事業会社化したのが今のサムライズです。顧客のニーズを基に、国内・海外の先進的ベンダーや新世代の製品・技術を継続的にリサーチしており、サムライズのミッションは、企業の戦略的アプリケーションを強化するソフトウェア・ミドルウェアを見つけ出し、そのマーケティング、販売、サービスまでをトータルにソリューションとして日本国内のお客様に提供するところにあります。アドビシステムズ社サーバ系ソフトウェアのほか、Webマーケティングソリューション、Business Intelligenceソリューション、セキュリティソリューションなどを幅広い豊富な製品を取り扱っています。その中で、アドビシステムズのサーバ製品であるAdobe ColdFusion,Adobe Media Server, AdobeConnect,InDesign ServerについてはAdobe Specialty Solution Distributorとして、WebTrends、Open Textの各製品は当社が日本市場で唯一の販売代理店となっております。

質問:サムライズとAdobe Connectとのこれまでの経緯を教えてください

サムライズ:サムライズが事業化された当時、アイ・ティ・フロンティアではすでにマクロメディア製品を取り扱っておりましたが、2005年のAdobe社によるマクロメディアの買収により、サムライズでもAdobe製品の取り扱いを始めました。その後、Adobe Connectについては、2010年には、「Adobe Connect 8」の販売を、また2011年には特定の顧客専用にAmazon AWS上にConnectサーバがホストされている「Adobe Connect Managed Service」の提供を開始しています。さらに2016年には、TOKAIコミュニケーションズのクラウドサービス「JMTクラウド」と「Adobe Connect」との連携をしオンプレミスソフトの導入をクラウドサービス上で簡単に御利用できるサービスも発表しています。アドビシステムズ社としては、デジタルマーケティング市場に注力しており、従来の顧客とのタッチポイントであるDM、電子メール、電話、ソーシャルに加えて、新たな顧客との接点となりうるウェビナー(ライブ、VOD)の製品開発に力をいれています。、当社もそれに合わせて多くの企業様にAdobe Connectをより知ってもらいたいという活動を現在行っております。

質問:Adobe Connectについて教えてください

サムライズ:Adobe Connectは、ワークスタイル変革や遠隔講義を実現する「Web会議(Meeting)」、ケ大規模なWebinarを開催できる「Webセミナー(Event)」、社員教育、資格取得講座などといったトレーニングや学習・研修向けのライブとオンラインで配信できる「eラーニング(Training)」をといった3つのアプリケーションをシングルプラットフォームで実現するソリューションです。現行(2017年3月現在)ではAdobe Connect 9が最新版です。アドビ社Flashベースで開発されており、Flashに対応したブラウザでは特別なソフトウェアを事前にインストールせずにこれらのツールをすぐに使用できます。インターネット環境があれば、パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットなどで(iOS, Androidアプリが無料で公開)簡単にしかも低コストでコラボレーションが実現します。オンプレミス(ライセンス版)とクラウド(ホステッド版)と提供しており、小規模から大規模までお客様の利用シーンに合わせた柔軟な選択が可能な製品です。北米製品ですが他のアドビ製品と同様Adobe Connectも日本語にもサポートを含めフルに対応しています。またFlashを動作させることができない環境の場合は、専用ソフトウェアをダウンロードすることで会議に参加できます。2017年の後半にはHTML5対応バージョンのリリースも予定しております。

質問:Adobe Connectの強みについて教えてください

サムライズ:「導入しやすい」「わかりやすい」「使いやすい」の3点です。クライアント環境はAdobe Flash Playerかプラグインに対応しており、オンプレミスかクラウドと自社の利用形態に適したライセンス形態を選択できます。加えてコンテンツは既存のパワーポイント、PDF、MP4,MP3などを活用できますので、自社の環境にスムーズに導入しやすいツールと言えるでしょう。また、直感的で操作しやすい画面レイアウトはわかりやすく自由にレイアウト配置ができるので使いやすいと定評です。会議室URLは他のベンダーの製品では会議のたびに会議室URLが変更になりますが、Connectの場合は固定なので、毎回会議に参加するメンバーはブックマークで会議URLを保存できるので参加が楽になります。さらに、ライブの会議や会議録画も追加費用や利用に制限がなく使いやすいと好評です。

質問:Web会議(Meeting)にはどういった機能がありますか

サムライズ:Web会議は小規模から中規模の、映像・音声・データを交えた会議開催に最適なツールです。会議室の収容人数が最大100人まで対応します。機能としては、映像と音声を使った相手との対話機能、資料や動画を共有したりする共有機能やホワイトボードを使った描画機能があります。
その他、チャット機能、投票(ポーリング)・アンケート集計、録画といった、会議開催から録画、会議資料のアップロードまでWeb会議として一般的な機能を標準的に揃えています。会議画面は、自分のカスタマイズをした自由な画面レイアウトとともにテンプレートもつくることができます。

質問:Adobe Connectを使用する際の安全性(セキュリティ)はいかがでしょうか

サムライズ:会議室への入室は、ログイン認証とパスワード設定が可能です。また正しくないパスワードでログインを設定時間内で何度か試行した場合ユーザをブロックする機能もあります。加えて不正アクセスを防ぐためのセッション管理も行っています。
また共有する資料へのセキュリティも万全です。共有資料はAdobe Connectサーバにアップロードして参加者に見せる形をとっていますが、参加者はそれらの資料を見るだけでファイルをダウンロードしてローカルに保存することはできません。

質問:二つ目はWebセミナー(Event)ですが、まずはそのメリットを教えてください

サムライズ:Webセミナーは、Webinar(ウェビナー)とも呼ばれ「Adobe Connect Webinar」で提供されます。インターネットがつながる端末さえあればいつでもどこからでもセミナーを開催したり、参加したりできますので、会場を確保したり会場への移動が不要となるため、主催者も参加者もメリットが大きいツールです。

質問:Adobe Connect Webinarでできることはなんですか

サムライズ:Adobe Connect Webinarは、Adobe Connect Web会議の機能に加え、Webセミナーを開催する上で利便性の高い機能を組み合わせたツールです。Webセミナーには100人から1500人まで参加が可能で、Webセミナー告知用Webページを作成したり、参加者へHTMLベースの告知メールを配信するといった機能も併せて標準で提供されています。これらのWebセミナー特有の機能を実現するのはCMS(Content Management System)と呼ばれるものです。CMSはAdobe Connect Webinar の核となるもので、主催者が用意した画像やテキストをテンプレートに流し込むだけで簡単に統一感のあるデザインを作ることができます。

質問: 1500人まで参加が可能とは大規模なWebセミナーを開催できるのですね

サムライズ:Web会議は100人までしか入室できませんが、Webinarですと最大1500名まで入ることができるライセンスをAdobe Connect Webinarでは提供しています。

質問:CMSで作成できる告知メールはどういった特徴がありますか

サムライズ:告知メールについては、メールのテンプレートが用意されており、タイミングに応じてリマインドメールを送ったり、事前に参加者の属性情報を収集するためのアンケートメールを送ったり、Webセミナー不参加者へのフォローアップメールも送れるようになっています。

質問:Adobe Connect Webinarについてほかに何か特徴はありますか。

サムライズ:申込者を保留する機能もAdobe Connect Webinarの特徴のひとつです。Webセミナーの申込を受け付けたあと収容定員以上の申込があった場合に、主催者側で申込者を選別して受け付けることができるということです。不適切な参加者のスクリーニングができるようになっています。

質問:三つ目のeラーニング(Training)について教えてください

サムライズ:Adobe ConnectのeLearningソリューションは、SCORM対応のe-learningコンテンツを学習コンテンツとして学習者に提供できるLMSです。必要な場所で必要な時に、ビデオ・音声・コンテンツによるストリーミング配信で研修やトレーニングを実施できるものです。参加・進捗状況・コースの効果の追跡のほか、Adobe Connectとサードパーティのシステムとの統合などが可能です。現在PCのみの対応となりますがモバイル環境への対応も今後順次行っていく予定です。

質問:eLearning用のコンテンツ作成はどのように行うのでしょうか

サムライズ:パワーポイントやパソコンの画面をキャプチャーしたものをAdobe PresenterやAdobe Captivateといったオーサリングツールを使うことでeLearning用のコンテンツを簡単にかつすばやく作成することができます。また、Adobe ConnectはeLearningの世界標準規格であるSCORM(スコーム)に対応していますので、他のSCORM対応コンテンツであればAdobe Connectのコンテンツ作成で取り込むことができます。

質問:Adobe Presenterで具体的にどういったことができますか

サムライズ:たとえば、既存のパワーポイントファイルで作成されている学習用コンテンツを、学習コンテンツの理解度をチェックするための選択式のクイズや空欄埋めの記述式テストを組み込んだeLearningコンテンツなどへ変換することができます。クイズでは、複数選択、正誤、穴埋め、短文記述、照合、評価尺度といった内容のコンテンツを作成できますし、または、ナビゲーションを付けることでインタラクティブなeLearning用の学習コンテンツにすることも可能です。そしてそれを電子的に配布することもできます。

質問:複数のコンテンツをまとめて学習カリキュラムを作ることもできるそうですね

サムライズ:AdobePresenterやAdobeCaptivateで作った、動画コンテンツ、音声コンテンツ、バーチャル講義室など複数のコンテンツをまとめて、学習カリキュラムを作ることもeLearningソリューションの特徴のひとつです。また、カリキュラムには学習パスを設定することもできます。たとえば、Aコンテンツで点数80点以上ならBコンテンツを学習できるとか学習カリキュラムを終了するためにはCコンテンツは必須コンテンツとさせるなどです。加えて、学習者の学習履歴の追跡も行え、そのレポートや回答結果はCSVデータとしてダウンロードすることが可能です。

質問:Adobe Connectとしての導入実績について教えてください

サムライズ:グローバルでは認知度の高いAdobe Connectですが、国内の大学や研究所、企業などでも幅広く導入されています。公開可能な範囲ですと、大学・研究機関では、日本体育大学、長崎大学、東京都市大学、聖マリアンナ医科大学(一部医局のみ)、環境エネルギー政策研究所(ISEP)など、一方、企業では、前田建設(建設)、ニチイ(教育など)、オウチーノ(不動産)、インターリハ(介護)、グローバルナレッジ(研修)など、国内での採用実績は年々広がっています。

質問:Adobe Connectの今後の予定を最後にお願いします

サムライズ:公開できる情報としては、近日、HTML5バージョンもリリース予定ということです。これによりAdobe Flashがない場合HTML5モードで動作する形になります。昨今、話題になってるWebRTCに対応するということになります。今後もユーザのニーズやフィードバックによって今後もAdobe Connectは進化していきます。どうぞご期待ください。