Apache の接続

ここでは、Windows または UNIX で実行する Apache Web サーバと通信するために JRun を構成する方法について説明します。Web サーバの高度な接続方法については、第 4 章を参照してください。

JRun では、使用するオペレーティング システムに基づいて、Apache Web サーバによるサーブレットの実行に関して、Dynamic Shared Objects (DSO) モジュールとスタティックモジュールという 2 つの方法をサポートしています。Apache と通信する JRun を構成する処理の一部として、特定のモジュールに関して Apache をコンパイルしなければならない場合があります。

Windows ベースのシステムでは、Apache は DSO モジュールのみをサポートします。DSO モジュールをセットアップするために構成手順を実行する必要はありません。

DSO は Apache の構築を容易にするため、Linux を含む UNIX ベースのシステムで Apache バージョン 1.3.x を実行する場合は、DSO を使用することをお勧めします。Red Hat Linux 5.2 など一部のプラットフォームでは、DSO サポート付きであらかじめビルドされた Apache が提供されるため、Apache を再コンパイルする必要はありません。

UNIX バージョンの Apache では、JRun をスタティック モジュールとしてサーバにコンパイルできますが、これは DSO をサポートしないシステムの場合にのみお勧めします。

ここでは、JMC 内からのコネクタ ウィザードの起動方法について説明します。コネクタ ウィザードを JRun インストールの一部として実行している場合は、このセクションを読む必要はありません。

詳細については、"Raven と JRun の併用"を参照してください。

Apache と JRun を接続するには

  1. Web サーバを停止します。
  2. UNIX のみ : システムで必要な場合は、DSO モジュールを構成します。

    この手順は、UNIX で Apache 1.3.x を実行する場合に適用されます。

  3. UNIX のみ : システムで必要な場合は、スタティックモジュールを構成します。DSO を使用していない場合にスタティック モジュールを構成する場合のみ、この手順 (および詳細手順) を実行します。
    1. JRun ソース ファイルを JRun のルート ディレクトリ/connectors/apache/src から Apache の /src/modules/jrun ディレクトリにコピーします。

      スタティック モジュールの構成手順は、UNIX で Apache 1.2 を実行する場合と Apache 1.3.x を実行する場合で異なります。

      Apache 1.2 :

    2. 次の行を /src ディレクトリの Apache コンフィギュレーション ファイルに追加します。
         Module jrun_module modules/jrun/libjrun.a
      
    3. Apache の /src ディレクトリから configure スクリプトを実行して新しい makefile を作成し、Apache の再コンパイルおよびインストールを行います。

      Apache 1.3.x :

    4. 次の Apache コマンドを実行して、JRun ライブラリを Apache サーバに追加します。
         ./configure --prefix=/user/local/apache ¥   --activate-module=src/modules/jrun/libjrun.a
      

      --prefix エントリおよびその他のエントリは、異なる場合があるので注意して ください。有効なエントリは、--activate-module エントリです。

    5. make および make install スクリプトを使用して、Apache の再コンパイルおよびインストールを行います。
  4. Web ブラウザで次の URL を開いて、JMC を起動します。
    http://localhost:8000
    

    また、Windows の場合は、次の操作によって JMC を起動することもできます。

    [スタート] > [プログラム] > [JRun 3.1] > [JRun 管理コンソール] をクリックします。


    メモ

    この手順は、JRun が提供する Web サーバを既定のポート (8000) で使用して、 JMC に接続する場合を想定しています。


  5. JRun 管理者として JMC にログインします。
  6. アクセス バーの [コネクタ ウィザード] を選択します。
  7. 次の表に示すように、コネクタ ウィザードで必要な構成情報を指定します。
    手順
    パラメータ
    説明
    手順 1
    JRun サーバ名
    Apache に接続する JRun サーバを選択します。通常は、default サーバを選択します。
    admin JRun サーバは固有の Web サーバを持ち、JRun インストールの管理にのみ使用されます。default サーバには、サーブレット、JSP、および Web アプリケーションを公開できます。
    Web サーバの種類
    ドロップダウン リストから [Apache Web サーバ] を選択します。
    Web サーバの
    バージョン
    Apache のバージョンを選択します。
    Web サーバの
    プラットフォーム
    Apache を実行しているプラットフォームを選択します。
    手順 2
    JRun サーバの
    IP アドレス
    Apache への接続に使用する JRun サーバの IP アドレスを入力します。Apache と JRun サーバの IP アドレスが同じであれば、既定値 127.0.0.1 をそのまま使用してください。
    JRun サーバの
    コネクタ ポート
    JRun サーバが Apache との通信に使用するポートを指定します。このポートと Apache の HTTP ポートを混同しないでください。既定値は 51000 です。
    手順 3
    Apache の
    conf ディレクトリ
    コンフィギュレーション ファイル srm.conf および httpd.conf が含まれているディレクトリを指定します。JRun のディレクトリ リーダーを使用するには、[参照] をクリックします。
    DSO サポート
    UNIX : JRun モジュールを Apache サーバにコンパイルした場合は、[DSO サポート] を選択します。
    Windows : [DSO サポート] を選択します。
  8. JRun コネクタのインストールが完了したら、Apache Web サーバと default JRun サーバを再起動します。

    default JRun サーバがまだ起動されていない場合は、次の手順を実行します。

  9. 次の URL を使用して JRun デモ アプリケーションを実行し、JRun と Apache Web サーバの接続を確認します。
    http://localhost:80/demo/index.html
    

    この手順は、Apache が既定のポート 80 で接続を受信していることを想定してい ます。

    JRun のデモとサンプルのページが表示されます。

    デモ アプリケーションが実行される場合、JRun と Apache Web サーバの接続は 正しく構成されています。デモ アプリケーションが正しく実行されない場合は、" コネクタのトラブルシューティング"を参照してください。

Raven と JRun の併用

Raven は SSL を使用できる 市販の Apache Web サーバ製品です。Raven を JRun に接続するには、このセクションで説明する手順に従う必要があります。この手順を使用しないと、コネクタ ウィザードの手順 3 で既定の Apache conf ディレクトリを入力した後、「httpd.conf にアクセスできません」というエラーが発生する場合があります。

コンフィギュレーション ファイルについては、Raven では Apache 標準の httpd.conf ファイルではなく httpsd.conf という名前のファイルが使用されます。コネクタ ウィザードでは httpd.conf というファイルを想定しています。そのため、JRun コネクタを使用して JRun を Apache に接続するには、コンフィギュレーション ファイルの名前を変更する必要があります。

JRun を Raven に接続するには

  1. httpsd.conf の名前を httpd.conf に変更します。
  2. "Apache の接続"の手順に従って、コネクタ ウィザードを実行します。
  3. httpd.conf の名前を httpsd.conf に戻します。

Apache コンフィギュレーション ファイルへの変更

コネクタ ウィザードでは、Apache httpd.conf ファイルに「JRun Settings」セクションを追加して、いくつかの変更を加えます。この設定には、Windows システム上の JRun DLL を初期化する jrun.ini ファイルの設定が反映されます。一般的な「JRun Settings」セクションは、次のようになります。

# JRun Settings
# JRun - Comment out the following line to disable DSO (ie you 
compiled module # into your server).
LoadModule jrun_module "C:¥Program Files¥Allaire¥JRun¥connectors¥  apache¥intel-win¥mod_jrun136.dll"
<IfModule mod_jrun.c>
JRunConfig Verbose false
JRunConfig ProxyHost 127.0.0.1
JRunConfig ProxyPort 51000
JRunConfig Timeout 300
JRunConfig Mappings "C:¥Program Files¥Allaire¥JRun¥servers¥  default¥local.properties"
</IfModule>

コネクタ ウィザードでは、入力した内容に基づいて JRun local.properties ファイルも変更されます。詳細については、"local.properties への変更"を参照してください。

JRun コネクタ ウィザードで使用するファイルを変更しないでください。