単純な分散環境での JRun の実行

単純な分散型構成では、1 台のコンピュータを Web サーバ専用とし、もう 1 台を JRun サーバ専用とします。これは、処理の負荷を複数のコンピュータに分散する一般的な方法です。

次の図は、単純な分散環境でのインストールを示します。

単純な分散環境でのインストール

単純な一対一の分散環境で JRun を構成する場合は、次の手順をお勧めします。

JRun を一対一の分散環境にインストールするには

  1. Web サーバ マシンと JRun 専用コンピュータの両方に JRun をインストールします。Web サーバ マシンにも JRun をインストールするのは、コネクタ ウィザードを実行できるようにするためです。
  2. Web サーバ マシンで JRun コネクタ ウィザードを実行し、ローカル Web サーバに接続します。コネクタ ウィザードを実行すると、Web サーバ フィルタおよび Web サーバのコンフィギュレーション ファイルがインストールされます。JRun のこのインスタンスは、サーブレット、JSP、または EJB の処理には使用しません。
    1. コネクタ ウィザードで、ローカル Web サーバ、ローカル Web サーバのスクリプトまたはコンフィギュレーション ディレクトリを選択します。
    2. コネクタ ウィザードの [JRun サーバ IP アドレス] フィールドに、JRun を実行するコンピュータの IP アドレスを入力します。これによって、Web サーバのコンフィギュレーション ファイル内の proxyhost プロパティが設定されます。
    3. コネクタ ウィザードの [JRun サーバ コネクタ ポート] フィールドに、JRun コンピュータの JCP ポート番号を入力します。これによって、Web サーバのコンフィギュレーション ファイル内の proxyport プロパティが設定されます。
  3. JRun マシン上で、local.properties ファイルを次のように変更します。
    1. JRun コンピュータに、コネクタ ウィザードを実行したかのように認識させる必要があります。
      • ファイルの最後に次の行を追加します。
           ranConnector=yes
        
      • jcp を servlet.services プロパティに追加し、JRun コネクタ プロキシを、実行するサービスの一覧に加えます。
           servlet.services=jndi,jdbc,web,url,{servlet.webapps},jcp
        
    2. JCP バインド アドレスを JRun サーバのコンピュータの IP アドレスに設定します。次に例を示します。
         jcp.endpoint.main.bindaddress=10.0.0.8
      

      bindaddress はループバック アドレス (127.0.0.1) に設定できません。設定すると、 Web サーバは自身の Web サーバ上の JRun サーバに接続しようとします。 両方のサーバが同一のコンピュータ上にある場合は、127.0.0.1 に設定でき ます。

  4. Web サーバ マシン上で、Web サーバのコンフィギュレーション ファイルを次のように変更します (このコンフィギュレーション ファイルは、IIS の場合は jrun.ini、iPlanet/Netscape の場合は obj.conf、Apache の場合は httpd.conf です)。
  5. 2 台のコンピュータが異なるファイル システムを使用している場合
    (1 台が Windows NT、もう 1 台が Linux を実行している場合など) は、local.properties ファイルを Web サーバ マシンにコピーして、Web サーバのコンフィギュレーション ファイルの rulespath プロパティ内で、コピーしたローカル ファイルを参照する必要があります。ファイル システムを共有していても、local.properties ファイルをコピーする必要がある場合もあります。

    メモ

    Web サーバ マシン上の local.properties ファイルは、rules セクションのサーブ レット マッピング用にのみ使用されます。これらのマッピングがないと、JRun コンピュータに対する要求のマッピングが正しく行われません。したがって、ルール マッピングを変更しない限り、Web サーバ コンピュータ上のこのファイルを 継続的に更新する必要はありません。


    local.properties を Web サーバにコピーする場合は、ファイル全体の階層を維持 します。たとえば、ファイルが JRun コンピュータの c:¥JRun¥servers¥default に 保存されている場合は、空の /JRun ディレクトリと、/servers および /default サブディレクトリを作成して local.properties ファイルを保存します。その階層内 のほかのすべてのファイルをコピーする必要はありません。

  6. 分散環境で、コンピュータ間のファイル システムが異なる場合に JSP を使用するときは、pathtrans プロパティを編集する必要があります。詳細については、"分散環境での JSP の使用"を参照してください。
  7. Web サーバ マシン上の JRun サーバを使用不能にします (オプション)。Web サーバ マシンから JRun をアンインストールしないでください。また、コネクタを削除しないでください。
  8. JRun サーバを再起動します。
  9. Web サーバを再起動します。

単純な分散環境の例

次の図は、2 台のコンピュータ上での 1 つの Web サーバと 1 つの JRun サーバの接続に必要な設定を示します。ここでは、2 台のコンピュータが同一のファイル システム上にあることを想定しています。JRun コンピュータは Web サーバ マシンの D ドライブにマッピングされています。このため、rulespath プロパティは D ドライブ上の local.properties ファイルを参照しています。