JRun Version 3.1 機能および移行ガイド
JRun Version 3.1 への移行

EJB クライアントの移行

サイトでの EJB の使用法と移行方法によっては、クライアント コードの変更が必要になる場合があります。変更する可能性のある領域については、次のセクションで説明します。

• "PortableRemoteObject の縮小" 22 ページ
• "JNDI 検索" 23 ページ
• "リモート EJB クライアントのデータ ソース" 24 ページ
• "サーブレット クライアントの変更" 25 ページ

PortableRemoteObject の縮小

JRun 3.0 (および EJB 仕様書の 1.0 バージョン) では、タイプ変換を使用してリモート参照を適切なタイプに変換しました。次に例を示します。

...

BidderHome bidderHome = 
  (BidderHome)context.lookup("java:comp/env/ejb/sample5a.BidderHome");
...

JRun 3.1 では、EJB 1.1 仕様書で推奨されている
javax.rmi.PortableRemoteObject.narrow メソッドがサポートされています。次に例を示します。

...

Object obj = context.lookup("java:comp/env/ejb/sample5a.BidderHome");
BidderHome bidderHome = 
  (BidderHome)javax.rmi.PortableRemoteObject.narrow(obj,
     BidderHome.class); 
...

JNDI 検索

EJB 検索

JNDI 検索に beanname または java:comp/env/ejb/beannameを使用できるようになりました。EJB 1.1 仕様書により厳密に従うには、java:comp/env/ejb/beannameの使用をお勧めします。次に例を示します。

...

Object obj = context.lookup("java:comp/env/ejb/sample5a.BidderHome");
BidderHome bidderHome = 
  (BidderHome)javax.rmi.PortableRemoteObject.narrow(obj,
     BidderHome.class); 
...

EJB データ ソース検索

JRun 3.0 では、次の 2 か所にデータ ソースを定義していました。

• JMC (サーブレットおよび JSP によって使用)
• deploy.properties (EJB によって使用)

サーブレットおよび JSP は次のように JNDI 検索を使用してデータ ソースにアクセスしていました。

String thisDataSource = “products”; 

// 実行するSQLステートメント
String sqlStatement = "select * from products where productid='" + 
thisId + "' and version='" + thisVersion + "'";

// 接続オブジェクト
Connection dbConnection = null;
// ステートメント オブジェクト
Statement dbStatement = null;
// 結果セット オブジェクト
ResultSet dbResultSet = null;    
// データベース アクセス コードの開始
try {
  // JNDI InitialContext オブジェクトの定義
  InitialContext ctx = new InitialContext();
  // InitialContext 内でのデータソースの検索
  DataSource ds = 
    (DataSource)ctx.lookup("java:comp/env/jdbc/" + thisDataSource);
  dbConnection = ds.getConnection();
  
  // ステートメント オブジェクトの作成
  dbStatement = dbConnection.createStatement();
  // クエリの実行
  dbResultSet = dbStatement.executeQuery(sqlStatement);
  ...

EJB は次のように ResourceManager.getConnection への呼び出しを使用してデータ ソースにアクセスしていました。

try {

  Connection connection = ResourceManager.getConnection("source1");
  try {
    final Statement statement = connection.createStatement();
    final ResultSet results = 
      statement.executeQuery("SELECT value FROM account WHERE id = " +
        _context.getPrimaryKey());
...

JRun 3.1 では、EJB は JNDI 検索を使用して JMC 定義のデータ ソースにアクセスできます。1 つのデータ ソースに対して 2 つの定義を維持する必要はなくなりました。たとえば、EJB は次のコードを使用してデータ ソースにアクセスできるようになりました。

try {

  final Context context = new InitialContext();
  final DataSource source = 
    (DataSource)context.lookup("java:comp/env/jdbc/source1");
  final Connection connection = source.getConnection();
  final Statement statement = connection.createStatement();
  final ResultSet results = 
    statement.executeQuery("SELECT value FROM account WHERE id = " +
      _context.getPrimaryKey());
...

詳しい例については、EJB サンプル 2a 内の BalanceBean.java を参照してください。

リモート EJB クライアントのデータ ソース

JRun バージョン 3.1 では、クライアントはリモート データ ソースを検索して使用できます。それには、コンテキスト ファクトリ、プロバイダの URL 、ユーザ名、パスワードのすべてを使用して Properties オブジェクトを形成します。その後、InitialContext オブジェクトのインスタンスを作成し、Properties オブジェクトに渡します。次のコードのように、JNDI 検索を実行してリモート データ ソースにアクセスできるようになりました。

...

try {
  Properties properties = new Properties();
  // 初期コンテキストでのリモートプロパティの定義
  properties.setProperty(Context.INITIAL_CONTEXT_FACTORY,
    "allaire.ejipt.ContextFactory");
  properties.setProperty(Context.PROVIDER_URL, 
    "ejipt://remotehost:2773");

  String user_name = "client";
  String password = "client";
  // ユーザ名およびパスワードの定義 (この例ではハードコード)
  properties.setProperty(Context.SECURITY_PRINCIPAL, user_name);
  properties.setProperty(Context.SECURITY_CREDENTIALS, password);
  // メッセージのデバッグ
  System.out.println("new InitialContext");
  Context ctx = new InitialContext(properties);
  System.out.println("lookup");
  // リモート データ ソースの検索 (この例ではハードコード)
  // Java以外のクライアントは、
  // タイプ変換の代わりに PortableRemoteObject.narrow を使用する必要あり 
  DataSource ds = (DataSource)ctx.lookup("java:comp/env/jdbc/DB1");
  System.out.println("getConnection");
  // 接続の確立
  Connection conn = ds.getConnection();
  // SQLステートメントが続く
...
  // 終了メソッドが続く
...

クライアントがリモート データ ソース検索を行うには、クラスパス内に jrun.jar が必要です。クラスパス内に jrun.jar がない場合は、ClassNotFoundException が返されます。

サーブレット クライアントの変更

JRun 3.1 では、サーブレットと EJB 間の通信方法に次の変更が行われました。

• スレッド保守の強化 JRun バージョン 3.0 では、サーブレット クライアントは UserSession.begin および UserSession.end メソッドへの呼び出しをコーディングすることによってプログラムによるスレッド保守を行っていました。JRun バージョン 3.1 では、EJB コンテキストをallaire.jrun.ejbContext セッション変数および JRun メッセージ スレッド内に自動的に保存します。セッションが終了したら、session.invalidate メソッドを呼び出します。その例については、EJB サンプル 9a を参照してください。
• シングル サインオン JRun バージョン 3.1 の統合セキュリティ フレームワークを利用できます。サーブレットおよび JSP によって呼び出されると、EJB は Web アプリケーション認証を利用できます。詳細については、"シングル サインオンの使用"を参照してください。シングル サインオンを使用すると、EJB コンテキストは自動的に保存されます。allaire.jrun.ejbContext セッション変数を管理する必要はありません。その例については、EJB サンプル 9b を参照してください。

JRun バージョン 3.1 でクライアントをコーディングする方法の詳細については、『JRun によるアプリケーションの開発』の「EJB クライアントのコーディング」を参照してください。

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