JRun にはいくつかの設定方法があるため、JRun はユーザに対して透過的であり、
お客様の製品の妨げになることはありません。JRun OEM リソースを使用して製品を設定する場合には、次の点を考慮してください。
設定方法 |
参照先 |
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JRun の透過的なインストール |
「JRun インストールのカスタマイズ」 |
コネクタの透過的なインストール |
「外部 Web サーバへの JRun の接続」 |
アプリケーションの透過的な公開 |
「Web アプリケーションのカスタマイズ」 |
JRun 管理コンソールの非表示 |
「JRun 管理コンソールの非表示」 |
JRun サーバの開始、停止、 および再起動 |
「JRun サーバの開始、停止、および再起動」 |
デスクトップ上の JRun の非表示 |
「デスクトップ上の JRun の非表示 (Windows のみ)」 |
ライセンス キーおよびライセンス 契約の設定 |
「JRun ライセンス キーおよびライセンス契約の設定」 |
製品版のユーザは、JRun 管理コンソール (JMC) を使用して JRun のインストールおよび設定を管理し、スレッド管理やデータ ソース アクセスなどの設定を調整します。ただし、ユーザが JRun のインターフェイスを使用できないようにする一方、個人設定については独自に変更できるようにする組み込み環境では、JMC は優れたソリューションとは言えません。
JMC は、ユーザが JRun の設定を変更するための主な手段です。ただし、JMC で行う作業のほとんどは JRun プロパティ ファイルの変更です。PropertyScript
ユーティリティを使用して JRun プロパティ ファイルを変更したり、PropertyScript
を呼び出す Java アプリケーションを作成することもできます。PropertyScript
ユーティリティを使用して JRun プロパティ ファイルを変更する方法については、"JRun プロパティのカスタマイズ"を参照してください。
たとえば、アプリケーションを JRun Web サーバ上で実行している場合に、default JRun サーバに対して Web サーバが受信しているポートをユーザが変更するとします。既定値は 8000 です。この場合、JRun サーバの local.properties ファイル内の web.endpoint.main.port
をユーザが変更できるようにするインターフェイスを作成します。
JRun プロパティ ファイルに変更を加えた場合は、そのたびに JRun サーバを再起動する必要があります。ただし、users.properties ファイルは唯一の例外です。このファイルは自動的に再ロードされるので、Web アプリケーションのユーザをリアルタイムで追加、変更、または削除できます。
JRun には、JRun サーバを開始、停止、再起動、インストール、または削除するためのユーティリティがあり、Windows の場合は jrun.exe、UNIX の場合は jrun シェル スクリプトがこれにあたります。このユーティリティは、コマンド ラインまたはスクリプトから呼び出せます。JRun コマンド ライン ユーティリティの使用方法については、『JRun セットアップ ガイド』を参照してください。
JRun 名が表示される場所は、JRun を Windows のサービスとしてインストールするか、またはアプリケーションとしてインストールするかによって異なります。このセクションでは、インストール タイプの選択方法と、JRun の実装を非表示にする方法について説明します。
製品版のインストール時に、JRun のインストール タイプを選択するプロンプトが表示されます。次の図は、[JRun サービスのインストール] ウィンドウを示します。
ユーザが [JRun サービスのインストール] を選択した場合は、JRun サーバ (admin JRun サーバや default JRun サーバなど) が Windows NT サービスとして認識され、コントロール パネルの [サービス] に名前が表示されます。Windows 95/98 では、サーバは Windows レジストリでのみ示されます。ユーザが [JRun サービスのインストール] を選択しない場合は、JRun サーバはアプリケーションとして実行され、アイコンがシステム トレイに表示されます。
JRun がアプリケーションとして実行される場合、システム トレイ内のアイコンを非表示にすることはできません。InstallShield プロジェクト ファイルを変更して、JRun のインストール タイプ (サービスまたはアプリケーション) をユーザが選択できないようにすることも可能です。
[JRun サービスのインストール] ウィンドウのコードは、ComponentEvents.rul ファイル内の Main_Installed2
関数に表示されます。この関数では、インストールを Windows NT サービスとしてハードコード化できるだけでなく、コントロール パネルの [サービス] に表示される JRun サーバ名を変更できます。
メモ Windows 2000/NT では、JRun をサービスとしてインストールするためには管理者 権限が必要です。 |
JRun サーバは、サーバの local.properties ファイルで定義されている表示名によって Windows のコントロール パネルの [サービス] に表示されます。たとえば、既定のインストールの JRun サーバは、"JRun Admin Server" および "JRun Default Server" と表示されます。
これらの名前は、JRun サーバの local.properties ファイル内の JVM プロパティ セクションに次のように格納されます。
## jvm properties
jrun.server.displayname=JRun Admin Server
JRun インストールでユーザの製品名を使用する場合は、名前の変更が必要なこともあります。
前のセクションで説明した InstallShield ファイル内の JRun サーバ名を変更することも、または PropertyScript
ユーティリティを使用してインストール後にサーバ名を変更することも可能です。PropertyScript
ユーティリティの使用方法については、"JRun プロパティのカスタマイズ"を参照してください。
設定の一部として新しい JRun サーバをインストールする場合は、JRun コマンド ライン ユーティリティを使用し、-install
オプションで表示名を設定することもできます。次に例を示します。
% jrun -install "Foo Service" foo -quiet
-install
オプションとともに jrun
コマンドを使用しても、新しい JRun サーバは作成されないので注意してください。その代わり、既存の JRun サーバが NT サービスに変更されます。JRun コマンド ライン ユーティリティの使用方法と新規 JRun サーバの作成方法については、『JRun セットアップ ガイド』を参照してください。
JRun インストール コードを使用する場合は、JRun のライセンス契約をお客様自身の契約に置き換えて、シリアル番号検証システムを変更できます。また、ライセンス キーのプロンプトを JRun インストールから削除し、ユーザに対して透過的にすることも可能です。
製品版のインストールでは、ユーザはシリアル番号の入力を要求されます。シリアル番号は、検証された後で、全体のインストールの終了時に serial_number.properties ファイルに書き込まれます。JRun サーバを起動するたびに、このファイル内でシリアル番号が確認されます。このプロパティ ファイルに有効なシリアル番号が格納されていないと、JRun サーバは、このエディションが Developer 版 (最大同時接続ユーザ数 3) であると見なします。
製品版では、setup.rul によって、インストール時にシリアル番号の入力をユーザに求める [製品シリアル番号] パネルが作成されます。ユーザが入力したシリアル番号は szLicKey
として格納されます。次に、setup.rul ファイルによって、szLicKey
を検証する license.rul の isValid30Key
が呼び出されます。ライセンス キーの有効性が確認されると、setup.rul は writeSerialNumber
関数を呼び出してシリアル番号を serial_number.properties ファイルに書き込みます。
JRun の OEM 版が製品版と異なる点は、license.rul ファイルに JRun ライセンス キーの検証ロジックでなく検証関数のスタブだけが含まれていることです。つまり、ライセンス キー検証の独自の論理を含めることができるわけです。次に、この関数スタブの一覧を示します。
isValid30Key
isValid30UpgradeKey isValid2xKey isValidOldKey
JRun OEM ライセンス キーを setup.rul 内でハードコード化して serial_number.properties に書き込むことにより、ユーザによる JRun キーの入力を省略できます。次に、setup.rul 内の現在のライセンス キー プロンプトと license.rul 内の関数のうち独自の検証関数を使用してキーをチェックします。
有効な JRun のシリアル番号については、OEM/ホスティング関連資料または Jumpstart ライセンス証明書を参照してください。
JRun に含まれているライセンス契約の内容を変更するには、license.txt ファイル
(/dist/core/docs) を変更するか、別のファイルに置き換えます。別のライセンス ファイルを使用する場合は、setup.rul 内の次の行を編集します。
szLicenseFile = SUPPORTDIR ^ "license.txt";
UNIX では、インストール スクリプトの License Key Handling セクションによって有効なライセンス キーの入力がユーザに要求されます。キーは $LICENSE
として格納されます。次に、インストール スクリプトによって LicenseChecker
ユーティリティが呼び出され、$LICENSE
の有効性がチェックされます。ライセンス キーの有効性が確認されると、LicenseChecker
によってキーが serial_number.properties ファイルに書き込まれます。
OEM ライセンス キーをハードコード化し、LicenseChecker を使用して
serial_number.properties に書き込むことができます。この作業を行うには、次の行を除く License Key Handling セクションをすべてコメント化します。
jrun -jrundir $JRUNROOTDIR -classpath "$INSTALL_CLASSPATH" -java "$JAVA" allaire.jrun.install.LicenseChecker -i -c "$LICENSE"
次に、$LICENSE
をお客様の OEM シリアル番号に設定します。有効な JRun のシリアル番号については、OEM 契約を参照してください。
ライセンス契約の内容は sh-install ファイルの Display the End User License Agreement セクションに格納されます。テキストは直接変更できます。