リソース使用率の制限

共有ホスティング環境では、各 JRun サーバとその JVM のリソースの使用率を監視することが重要です。JRun を使用したメモリ リソースの使用状況の監視には次の 2 つの方法があります。

次のセクションでは、これらのオプションについて説明します。

メモリ使用率の判別

JRun にはメトリック ログ機能が用意されています。この機能を使用すると、指定された間隔で JVM ヒープ内の総メモリ容量と空き容量を詳しく記録できます。たとえば、メトリック ログ機能をオンにし、次の行を JRun サーバの local.properties ファイルに追加すると、このサーバの JVM の時間の経過に応じたメモリ使用率をログ ファイルに表示できます。

monitor.jcp-format=(jcp),{totalMemory},{{totalMemory}-{freeMemory}}

これにより、合計メモリ量と使用メモリ量 (合計量から空き容量を引いたもの) を示すカンマ区切りリストが出力されます。

また、スレッドの使用状況を監視して、どの仮想ホストがプロセッサを最も長い時間使用しているかを調べることができます。JRun のログには、次のようなスレッド メトリックを記録できます。

詳細は、"JRun メトリックの使用"を参照してください。

JVM メモリ使用率の制限

JMC の [Java の設定] パネルを使用して、各 JRun サーバの JVM の初期ヒープ サイズと最大ヒープ サイズを設定できます。

  1. JMC の左側のペインで、[マシン名] > [JRun サーバ名] > [Java の設定] を選択します。

    [Java の設定] パネルが表示されます。

  2. 右側のペインで [編集] をクリックします。

    Java 設定値の編集ウィンドウが表示されます。

  3. [Java 引数] フィールドで、JRun が JVM を起動するときに JVM 実行可能モジュールに渡す引数を入力します。

    次の表は使用可能な引数の一覧です。
    引数
    説明
    最低
    既定
    -mx<val>[k|m]
    
    JVM の最大ヒープ サイズ
    1 K
    16 MB
    -ms<val>[k|m]
    
    JVM の初期ヒープ サイズ
    1 K
    1 MB
    -oss<val>[k|m]
    
    各 Java スレッド内における
    Java コードのスタック サイズ
    1 K
    400 K
    -ss<val>[k|m]
    
    各 Java スレッド内における
    C コードのスタック サイズ
    1 K
    128 K

    上記の各引数では、キロバイトを示すには k を、メガバイトを示すには m を使用 してください。値をキロバイト (k) で指定する場合、値は 1024 の倍数である必要が あります。これらの引数は、どの JRE または JDK を使用しているかによって異なり ます。詳細は、JVM のマニュアルを参照してください。

  4. 変更を適用するには、[更新] ボタンをクリックします。
  5. JRun サーバを再起動します。

JVM セキュリティ

ユーザが JMC を介して JRun サーバにアクセスできる場合は、[Java の設定] パネルの [Java 引数] フィールドの値を変更できます。これは、リソースやセキュリティ上の問題となる可能性があります。[Java 引数] フィールドの使用を制限する、記述されたポリシーを作成および実行するか、またはネットワーク OS を使用してファイル権限に対して制限を加えることを検討してください。共有ホスティング環境におけるセキュリティの実施については、"JRun 環境の保護"を参照してください。