平行処理の設定

JRun と外部 Web サーバ間のコネクタの構成には、並行処理設定の最適化が含まれます。並行処理は、HTTP 要求をプールし、分散する方法を定義します。これらの設定値を変更することによって、各 JRun サーバによって処理されるスレッドと要求の数を制限できます。実際に、その JRun サーバのトラフィックを調節できます。


メモ

「同時要求数」と「同時ユーザ数」 は別の概念であることを忘れないでください。たとえ ば、各仮想 Web サイトが 1000 個の同時要求をサポートするとしても、1000 人の同時ユー ザによって同時に50 個の要求しか生成されていない場合があります。 JRun によって、 要求ごとに 1 つのスレッドが割り当てられます。


JRun には、Web サーバへの接続に対する並行処理設定を構成する設定が 4 つあります。この設定は次のとおりです。

顧客の Web サイトでトラフィックの増加が急激に発生する環境では、Web サイトのトラフィックが急激に増加した場合にスレッドのグループを作成しなくても済むように、最小スレッド カウントを高く設定します。また、最小スレッド カウントを、予期される安定した状態の負荷の同時要求数に設定することもできます。たとえば、Web サイトで常時 80 個の同時要求が発生する場合は、最小スレッド カウントは 80 に設定します。

たとえば、3 段階の RMI-CORBA データベース トランザクションを実行しているために、顧客の Web サイトの平均応答時間が長い場合、新しい要求を拒否せずにスループットを保持するには、より多くの要求を待ち状態にしなければならないことがあります。この場合、最大同時要求数を予期される要求数よりも大きい値に設定する必要があります。最大同時要求数の設定値は、リソースの安全弁としての役割を果たします。


メモ

既定の JRun 並行処理設定を変更する前に、トラフィック パターンが実際に監視できる ことを確認します。設定値を変更してしまうと、リソースを消耗する可能性があります。


外部 Web サーバの並行処理設定を変更するには

  1. JMC の左側のペインで、[マシン名] > [JRun サーバ名] > [外部 Web サーバ] を選択します。

    [外部 Web サーバ] パネルが表示されます。

  2. 右側のペインで [編集] をクリックします。

    外部 Web サーバの編集ウィンドウが表示されます。

  3. 次の表の説明に従ってプロパティを編集します。
    プロパティ
    説明
    外部 Web サーバ
    アドレス
    IP アドレスを入力します (複数の場合はカンマで区切ります)。この JRun 接続モジュール (JCM) は、それらのアドレスからの要求のみを JRun サーバに渡します。
    既定値 * を使用すると、この JCM がすべての IP アドレスからの要求を受け入れます。
    受信アドレス
    外部 Web サーバからの接続を受信するソケットの IP アドレスを入力します。サーバに複数の IP アドレスがある (マルチホーミング) 場合は、この機能を使用してください。
    既定値 * を使用すると、 JRun はすべてのサーバ IP アドレスにバインドされます。
    受信ポート
    この JCM が外部 Web サーバからの接続の受信に使用する固有のポート番号を入力します。
    このポートを外部 Web サーバの HTTP ポートと混同しないでください。
    アイドル スレッドの
    タイムアウト
    JRun によって破棄されるまでのスレッドのアイドル状態の秒数を入力します。 このパラメータは、Web サーバがビジー状態から休止状態に戻る速さを決定します。スレッドが破棄されるたびに、少量のシステム リソースが解放されます。
    JRun は Java スレッド メカニズムを使用して同時要求を処理します。要求ごとに新しいスレッドを作成する代わりに、JRun は新しい要求のために準備されたハンドラ スレッドのプールを保持します。スレッドのこのプールは、Web サーバでの要求数の変化に応じて拡大または縮小します。Web サーバのトラフィック負荷と能力のバランスが取れるようにプールのパラメータを設定します。
    既定値は 300 秒です。
    最小スレッド カウント
    初期プールに (開始時に) 作成されるハンドラ スレッドの数を入力します。システム実行中、スレッドは作成されて破棄されますが、プール サイズがこの数より小さくなることはありません。
    既定値は 1 です。
    最大アクティブ要求数
    JRun が処理する同時要求の数の上限を入力します。この上限値を超える数の要求は、ハンドラ スレッドがそれらを処理できるようになるまで遅れます。このパラメータは、外部 Web サーバでの並行処理を制限するための JRun の基本的なメカニズムです。
    既定値は 100 です。
    最大同時要求数
    Web サーバが処理できる要求の最大数を入力します。サーバは、この絶対最大数を超える要求をすべて破棄します。
    既定値は 1000 です。
    接続モジュール
    この JCM をオンにするには、このチェックボックスを
    オンにします。この JCM をオフにするには、このチェックボックスをオフにします。
    接続モジュールをオフにすると、JRun と外部 Web サーバ間の接続が切断されます。そのため、ユーザが JSP ページまたはサーブレットにアクセスしようとするとエラーが発生することがあります。
  4. 変更を適用するには、[更新] ボタンをクリックします。
  5. JRun サーバを再起動します。

JWS または外部 Web サーバの Web サーバ設定値の編集については、『JRun セットアップ ガイド』を参照してください。