JRun は Web サーバーを拡張して、JRun サーバーがホストとなっている Java サーブレット、JSP、および EJB によって生成されるダイナミック コンテンツを配信する J2EE アプリケーションを処理できるようにします。Web サーバーは JRun と通信するクライアントの役目をするため、サーバーは JRun への接続を確立する必要があります。JRun は、Web サーバーへの接続を作成するネイティブ サーバー接続モジュールを提供します。
ネイティブ サーバー接続モジュール、すなわちコネクタは、特定の Web サーバー、ハードウェア アーキテクチャ、およびオペレーティング システム用にコンパイルされます。たとえば、JRun は NSAPI を使用して、各ハードウェア アーキテクチャおよび JRun でサポートされているオペレーティング システムの組み合わせに対して、Netscape Application Server 用のコネクタを作成します。
各 JRun サーバーに 1 つまたは複数の Web サーバーを接続できます。通常の開発環境では、Web サーバーを default サーバーに接続して、アプリケーションを処理します。次の図は、default サーバーに接続された単一の Web サーバーを示します。
アプリケーション リソースに対して要求が作成されると、Web サーバー上のコネクタにより、JRun サーバー内に常駐する JRun 接続モジュールへのネットワーク接続が開かれます。接続モジュールは、透過コミュニケータの役割を果たし、コネクタから JRun サーバーに要求を変換します。JRun サーバーは要求を処理して、接続モジュール サービスに応答を返します。
各 JRun サーバーは、Web サーバーからの要求に対して異なるネットワーク ポート番号を受信します。上の例では、default JRun サーバーはポート 8081 を受信します。JRun サーバーと Web サーバーの接続を設定するときは、このポート番号を指定する必要があります。
Web サーバーと JRun サーバーの接続を定義するために、2 番目のパラメータであるバインド アドレスを使用することもできます。バインド アドレスは、JRun サーバーが要求を受信するために使用する JRun のホスト コンピュータ上の 各 IP アドレスを指定します。既定では、すべての JRun サーバーのバインド アドレスは * です。これは JRun サーバーがホストのすべての IP アドレスで要求を受信することを意味します。
メモ Web サーバーに複数の IP アドレスがあり、JRun サーバーがすべての IP アドレスで要 求を受信する場合は、* のバインド アドレスが役に立ちます。 |
JRun には、Web サーバーと JRun サーバーとの接続を調整するための追加のパラメータがいくつかあります。接続および調整パラメータの詳細については、『JRun セットアップ ガイド』を参照してください。
メモ JRun には、ユーザの Web サーバーあるいはほかの特殊な場合で使用するための、接 続ソース コードが含まれます。このソースコードは、基本的な使用手順とともに JRun のホーム ディレクトリ/connectors/src に置かれています。詳細については、『JRun 拡張設定ガイド』を参照してください。これは、Allaire Web サイトから利用できます。 |
JRun には、すぐに使用できる Java Web サーバーが用意されています。このため、既存の Web サーバーがない場合でも、Web アプリケーションの開発を開始できます。したがって、開発チームで組み込みの JRun Web サーバー (JWS) を使用して、サーブレットの作成、テスト、およびデバッグを行った後で、互換性のある運用サーバーに公開できます。
ただし、JWS は、セキュリティが組み込まれていない HTTP バージョン 1.0 サーバーです。ほとんどの場合、サードパーティ製 Web サーバーを、現在活動中の Web サイト上にある JRun と組み合わせて使用します。
default JRun サーバーで JWS を開発 Web サーバーとして使用する場合、ドキュメント のルート ディレクトリは次のようになります。
JRun のホーム ディレクトリ/servers/default/default-app