概要

Java サーブレット API バージョン 2.2 の仕様書では、アプリケーションのアセンブル担当者と公開担当者の役割を定義しています。アプリケーション アセンブル担当者は、アプリケーション開発者が作成したリソースを受け取り、公開可能な WAR ファイルに変換します。EJB の公開については、Chapter 35, "Enterprise JavaBeans の公開"を参照してください。完全な J2EE アプリケーションの公開については、425 ページの第 36 章「J2EE アプリケーションの公開」を参照してください。

これらの役割の実装は、サイトによって異なる場合があります。サイトによっては、アプリケーション開発者、アセンブル担当者、および公開担当者の役割を 1 人で受け持つ場合があります。また、これらの役割が別のグループの Java 開発者、JSP 開発者、アプリケーション アセンブル担当者、および公開担当者に割り当てられているサイトもあります。


メモ

この章では、Java サーブレット API バージョン 2.2 の仕様書に記載されているガイド ラインおよびディレクトリ構造を使用して、複数の Web アプリケーションの開発と 公開を行うことを想定しています。


Web アプリケーション アセンブルとは

アプリケーション開発者は、サーブレット、JSP ページ、タグ ライブラリ、HTML ファイル、およびアプリケーションの開発とテストに必要なその他のすべての要素をコーディングします。アプリケーション アセンブル担当者は、アプリケーション開発者が作成したアプリケーションを公開可能な Web アプリケーションに変換します。

アプリケーション アセンブル担当者が WAR ファイルを作成する前に、Java 開発者、JSP 開発者、および QA スタッフは、Web アプリケーションの開発に関する次のタスクを完了する必要があります。
タスク
参照先
サーブレットの開発
第 3 部
JSP ページの開発
第 2 部
タグ ハンドラ、TLD ファイル、および TEI クラスの開発
第 22 章
タグ ライブラリおよびその他のユーティリティ クラス用 JAR ファイルの作成
第 22 章
セキュリティおよび計測用のプロパティ ファイルの修正
第 39 章 および 第 40 章
JSP ページで使用する JavaBeans の実装
第 34 章
サーブレットの定義、サーブレットのマッピング、初期化パラメータ、MIME タイプ、およびその他の環境設定の作成
『JRun セットアップ ガイド』
JMC または手作業による web.xml ファイルの作成
『JRun セットアップ ガイド』
Web アプリケーション構造に対応した、集中型のソース管理レポジトリにおけるソース コードとクラス ファイルの管理
サイト固有
完全なテストの実行
サイト固有

アプリケーション アセンブルの詳細については、"公開用 Web アプリケーション パッケージの作成"を参照してください。

Web アプリケーションの公開とは

公開担当者は、JMC または JRun WarDeploy ユーティリティとアプリケーション アセンブル担当者が作成した WAR ファイルを使用して、Web アプリケーションを特定の運用環境にインストールします。WAR ファイルのインストールのほかに、公開担当者は、必要に応じてアプリケーションを運用環境に合わせて設定します。たとえば、公開担当者はセキュリティ ロールをサイト固有のユーザおよびグループにマッピングします。

詳細については、"Web アプリケーションの公開"を参照してください。

WAR ファイル

通常、Web アプリケーションは、単一の圧縮 WAR ファイルとして配布します。WAR ファイルには、すべてのディレクトリ構造とアプリケーションを定義するすべてのファイルが含まれています。WAR ファイルは、JAR ファイルと同じツールを使用して作成します。

WAR ファイルは、JMC または JRun Deploy ツールを使用して公開します。これらのツールは、WAR ファイルとサーバー固有のパラメータのセットを受け入れることにより、必要に応じてディレクトリ構造を拡張したり、設定やプロパティ ファイルを更新できます。

公開中、JRun は WAR ファイルを変換し、指定された JRun サーバーで新しいアプリケーションを定義します。WAR ファイルの変換は、JRun を公開するためのメカニズムです。サーバーによって公開条件が異なる場合があります。たとえば、データベース ベンダの実装では、WAR ファイルの内容をデータベースに挿入しなければならない場合があります。


メモ

EJB は、JAR ファイルを使用して公開します。J2EE エンタープライズ アプリケーション をパッケージ化する場合、EJB の JAR ファイルおよび Web アプリケーションの WAR ファイルを、J2EE エンタープライズ アーカイブ (EAR) ファイルの一部としてパッ ケージ化できます。詳細については、第 35 章および第 36 章を参照してください。