サムライズトップ > APM - アプリケーションパフォーマンスマネージメント > アプリケーション性能問題の解決とDevOpsの高速化 > 日本市場初参入のライブリモートデバッグサービス「Rookout」とは? ~Part1~

日本市場初参入のライブリモートデバッグサービス「Rookout」とは?
~Part1~

~ Rookout Ltd.セールスディレクター シェイ・シャニー氏に聞く Part1~

「止まらないブレークポイント」というユニークな機能を備えたライブリモートデバッグサービスを提供するイスラエルのスタートアップRookoutが、国内販売・サポートの独占パートナーとして株式会社サムライズを選定し、2021年6月から日本市場展開を本格的に開始しています。

国内市場への初参入にあたり、Rookout本社のあるテルアビブとビデオ会議を実施し、EMEA担当セールスディレクターを務めるシェイ・シャニー(Shay Shany)氏に、製品の背後にある思想とパートナーとしてのサムライズへの期待を語っていただきました。聞き手はサムライズの富田。

富田:このインタビューの目的は、日本の開発者の皆さんにとってはまだ耳慣れないRookoutという製品と会社を知っていただくことです。まずシェイさんの自己紹介からお願いします。

シェイ・シャニー氏シェイ:シェイです、よろしくお願いします。Rookoutでは、ヨーロッパ・中東と日本を含むアジア地域を合わせてEMEAと呼んでいますが、私はそのEMEA全体を担当するセールスディレクターです。これまで20年以上にわたり、さまざまなエンタープライズ向けシステムのテクニカルセールスに携わった後、2020年にRookoutに入社しました。

富田:スタートアップ企業としてのRookoutについて教えてください。

シェイ:もともとイスラエル国防省でサイバーセキュリティに携わっていた2人のエンジニアが2017年1月に起業した会社です。本社と開発拠点はテルアビブですが、米国の西海岸にもオフィスがあり、ソリューションエンジニアとテクニカルセールスを常駐させています。日本のお客様のテクニカルサポートは、サムライズを通じて本社と米国オフィスが共同で担当する体制になっています。

富田:Rookoutの主力商品について教えて下さい。

シェイ:現在のところ、「Rookout Live Debugger」テクノロジーのライセンス販売とテクニカルサポートが主力です。Splunk(統合ログ管理PF)との統合のような高度なサポートを別途提供することもあります。また、Rookout Live Debuggerが最初に製品化されたのは2018年です。SaaSですので、それ以来頻繁にアップデートを繰り返しています。1日に10回アップデートすることもありますよ。

富田:公開しても差し支えない範囲で、どのようなお客様がいらっしゃいますか?

シェイ:皆さんいいお客様ですよ(笑)。小さなスタートアップ企業から、CiscoやAT&Tといった大きなテック企業まで。ゲーム業界や金融業界にもお客様がおられます。全体的な傾向として、お取引先の多くはCisco、Salesforce、Nice(コンタクトセンター向けSaaS)、Bank Santander(ヨーロッパ第3位の銀行)、Amdocs(通信キャリア向けSaaS)、Zoominfo(BIプラットフォーム)といった、自社で開発チームを抱える大手企業ですね。

富田:Live Debuggerの特長について教えてください。

シェイ:Rookoutのテクノロジーを使えば、現在の標準的なデバッグの手法と比較して5〜10倍高速に問題を特定し、解決することができます。現在のワークフローでは、ローカルの開発環境をいったん離れると、アプリに障害が発生したとき、その状況を把握して原因を特定するためにはシステムログを参照する他に方法はありません。

Rookout無料トライアルはこちら

ところがシステムログには重大な制約があります。第1にすべてのデータが記録されているわけではないこと、第2にコンテキストつまりコードとの関連が示されないこと、第3に確認できるのは常に10〜15分後でありリアルタイムでないこと、第4にデータの表現が制約されることです。

このため、開発者はコードにさらにログ出力を追加するなどして障害の原因を探すわけですが、コードの改変はそれ自体が時間のかかる複雑なプロセスです。ログ出力を1行追加するだけでも、QAやステージングを含めた完全な開発サイクルを回さなければならないんですね。それだけで数時間から、ことによっては数日かかってしまいます。

Rookoutはこの問題を解決してくれるテクノロジーです。本番環境を含めどんな環境でアプリが稼働していようと、アプリのパフォーマンスや可用性に一切の悪影響を与えずに、開発者が欲しいすべてのデータをリアルタイムに取得できるんです。Rookoutではこれを「ペインレス=痛みのない」デバッグと呼んでいますが、その鍵となるのが「止まらないブレークポイント」なんです。作業効率と生産性を向上させ、開発者の痛みを減らすのが目的です。

ブレークポイント設定画面イメージ

富田:サービスの構成や動作の仕組みについて教えてください。

シェイ:Rookoutは常にパッシブモードで動作します。つまり、開発者が指示しない限りアプリからデータやメトリックスを収集することはありません。ここがAppDynamicsDynatraceのようなAPM(アプリケーション性能管理)ソリューションのモニタリングツールと違うところですね。開発者がリクエストを設定したときだけ、Rookout SDKがデータのスナップショットを取って送信します。その際のリソース消費は1%にも満たないものです。

データの取得方法は、フルSaaSとハイブリッドの2種類から選べます。フルSaaSではデータはアプリから直接Rookout Cloudに転送されます。ハイブリッドではお客様の環境にインストールしたRookout Data Storeというコンポーネントにデータが送られるため、データが環境外に出ることはありません。後者の場合はブレークポイントの設定など操作UIの部分だけにRookout Cloudを使うことになります。

データのスナップショットを取る、いわばセンサーに当たるのがRookout SDKで、これはお客様のアプリに組み込んでアプリサーバーにデプロイする必要があります。SDKとRookout Cloudの通信はすべてTLSセキュアソケットで保護されます。現在のところ対応する開発言語は5種類、Java(すべての種類のJVMに対応)、.NET、Python、Node.js、Ruby/RORです。2021年の第3四半期にはGo言語にも対応予定で、C++対応は2022年を予定しています。

富田:なるほど、Rookoutのセキュリティへの対応やアプリケーション開発者の方々のデバッグ業務を効率化し、企業のアプリケーション問題への改善に寄与するのが良く分かりました。

後半は、更に詳細なお話をお伺いした様子をお届けします。

Rookout無料トライアルはこちら
ページのトップへ戻る