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リテンションマーケティングとは(手法編)

リテンションマーケティングとは(手法編)

目次


成功する「リテンションマーケティング」の活用術

リテンションマーケティングの重要性を理解しているにも関わらず、具体的な活用法が分からないために、リテンションマーケティングを導入せず放置、あるいは躊躇したままになっているとしたら、大きなビジネス的損失に繋がり兼ねません。ここでは、リテンションマーケティングを導入するにあたり、成功へと導くための具体的な手法について、説明してゆくことにします。

ターゲッティングと顧客のセグメントの分類

ターゲッティングと顧客のセグメントの分類

リテンションマーケティングを行うにあたって、顧客のセグメント(分類)は欠かせません。既存リードの年齢、性別、職業、地域などを分類するとともに、購入履歴から購入商品や直近の購入日(Recency)、購入頻度(Frequency)、購入金額(Monetary)などに応じてグループ化するをことにより、ターゲット及びターゲットごとの施策が明らかになってきます。
上記英単語の頭文字をとった「RFM分析」というセグメントに使われる手法があります。3つの属性情報を評価して、顧客の優良度を見極め、把握するための分析手法です。これにより、リテンションマーケティングにとって重要な「新規顧客」「休眠顧客」「優良顧客」など、顧客のセグメントが可能となり、それに基づく顧客アプローチを施せるようになります。年齢、性別などのデモグラフィックデータだけでなく、MAやCRM、ABMツールを利用して、顧客の行動ログなどの把握ができていると、きめ細かいアプローチを行うことが可能となるでしょう。

セグメントに合わせた施策を講じる

セグメントに合わせた施策を講じる

ターゲットとなる顧客のセグメントが決まり、顧客を知ることができたら、次はアプローチとなります。リテンションマーケティングの分析手法により可視化された顧客のセグメントごとに、アプローチする戦術は異なってきます。 優良顧客であっても、商品やサービスごとにアプローチは変わります。実店舗を持っている場合には、居住エリアやよく購入するエリア情報に基づくアプローチが考えられることでしょう。さらに、自社アプリやLINE登録をしている優良顧客と、そうでない優良顧客とでは、アプリ等への誘導を含め、施策を変える必要があるでしょう。 一方、購入あるいは利用履歴の浅い新規顧客、休眠顧客に対しては、リテンションマーケッティングに基づくアプローチは変えていく必要があります。しばらくご無沙汰している理由が掴みづらい休眠顧客には、“リピーター割引”や、以前購入した製品の“関連商品のセール情報”など、さり気ない方法でのアプローチが考えられます。

施策したアプローチの効果測定

セグメントに基づく近似傾向のグループ、あるいはOne to Oneのアプローチにより、いったん顧客との関係構築ができたら、その効果の見極めを行う必要があります。リテンションマーケティングでは、顧客とのコミュニケーションづくりが大切です。効果の測定を疎かにしては、苦労して構築したせっかくの成功パターンを維持することが、続かなくなるかもしれないからです。
この効果測定には、MAやCRM、ABMツールを導入することをお勧めします。導入により、購入や利用ポータルへの訪問ルートから得た顧客属性ごとの確認・分析が容易になります。最も気になるリテンション率だけでなく、LTV(顧客生涯価値)やメール開封率など、リテンションマーケティングの施策や目的に合わせ検証を行うと同時に、新たなホットデータを取り込むことにより、より効果的できめの細かいリテンションマーケティングの実現が可能となることでしょう。

MA・CMR・AMBツールを活用する

既存顧客を長期リピーター、さらにはロイヤルカスタマーへと成長させ、リテンションマーケティングを成功に導くためには、それぞれの施策や目的に合わせたMA・CMR・AMBなどのWEBツールの導入が、いまや欠かせなくなってきています。なぜかといえば、その重要性に気がついた同業他社が先んじて導入し、コンサル等の外部に頼ることなく、素早い顧客対応を行っているかも知れないからです。 顧客情報のセグメントの自動化や、顧客ポートフォリオの自動化、様々なタイプの分析が、MA・CMR・AMBなどのWEBツール導入により、ひとつのプラットフォーム上で可能になるため、いち早く導入することこそ、リテンションマーケティングを成功させる近道といえるでしょう。

「リテンションマーケティング」の実践戦術

顧客のセグメントが終われば、いよいよアプローチのとなります。リテンションマーケティングの実践戦術には、様々な手法があります。ここでは、その中からポピュラーなものを紹介していきます。自社や自店舗、自団体の目的に対して最適な方法をチョイス、あるいは組み合わせて活用することにより、顧客とのコミュニケ―ションをはかり、顧客の維持・継続に努めていくようにしましょう。

1. メールマーケティング

メールマーケティング

メールマーケティングには、メールマガジン、メール広告、ステップメールなどの手法があり、どれもリテンションマーケティングには大切なものです。 メールマガジン(メルマガ)は、自社や自店舗、自団体が起点となるため、セールやキャンペーン、イベント、新商品、新サービスをアピールしたい時期に、自社や自店舗、自団体のタイミングでメール配信を行うリテンション戦術です。一方ステップメールは、起点がユーザー側の会員登録や資料請求などのアクションから始まっているため、見込み顧客のナーチャリング(顧客育成)が可能となるだけでなく、信頼関係を築きやすいというメリットがあります。またMAツールにより、リテンションマーケティングの活動を自動化できるという利点もあります。 メール広告には、見せ方としてテキスト形式とhtml形式があり、各々はメルマガ方式とDM方式に分かれます。いずれも純広告のジャンルに含まれます。

このほかに、ターゲッティングメールや休眠顧客発掘メール、ニュースリリース配信などがありますが、情報のアップデートを図っていかないと、パーソナライズが難しくなるという可能性があります。メルマガ登録後のウェルカムメール、商品購入やサービス利用後のサンクスメールなどのリテンションメール配信と組み合わせ、顧客情報のアップデートを図っていくと良いでしょう。

2. レコメンド

レコメンド

レコメンド(リコメンド)は、推奨やオススメを意味する英語由来のカタカナ語。主にショッピングサイトなどを利用した際、この機能を組み込んだエンジンにより、購入履歴に基づいた関連商品・関連サービスが表示される仕組みです。顧客にとっては、いままで知らなかった商品・サービス、いままで気づかなかったパッケージングの同じ商品と出会えるメリットがあります。この際、企業側の売りたい商品や、ほかの人気商品をクロスセル、アップセルすることが可能であるため、追加購入につながるという副次的な可能性が期待されます。

3. SNS

SNS

Social Networking Serviceの頭文字を取ったのがSNSですが、主要なSNSとして挙げられるものには、Twitter、Instagram、YouTube、TikTok、LINE、Facebookなどがあります。ユーザー数は多く、主要なものだけで全世界で30億人が利用しているともいわれています。文章、写真、動画、音声、ライブ配信など、SNSごとに得意としている特性があります。 これらの特性を使い分け、リテンションマーケティングでは商品やサービスに関しての情報発信をしていくことが重要となります。公式アカウントを運用し、コメントに対するリアクションを取ることができるため、顧客とのコミュニケーションづくりが可能となります。企業・団体からコメントが来るということで、その意外性が顧客維持へとつながります。また自社LINE登録などへの誘導することにより、その絆を高めることが可能となることでしょう。

4. プッシュ通知

プッシュ通知

スマホやPCのプッシュ通知は、インストールされたアプリを通じて、自動的にメッセージが表示される機能のことをいいます。リテンションマーケティングでは、顧客のアプリ利用を促進する戦術となります。メールとは異なり、開封をすることなくジャストなタイミングで、イベントやキャンペーンの情報、クーポンなどを配信することができます。プッシュ通知された情報をタップすれば、そのままアプリを開くことができるため、顧客側の手間を省くことうえでも便利な手法となります。 ただし、リテンションマーケティングの手法であるプッシュ通知にも、デメリットは存在します。まず、顧客へのプッシュ通知が多い場合、優先順位が低いアプリを削除、あるいは不要なプッシュ通知をオフにされてしまうため、重要な通知まで見逃されてしまう可能性があります。また画面にプッシュ通知が割り込むため、動画視聴やゲームプレイ中の場合、通知設定そのものをオフにされてしまうことがあります。

5. キャンペーン配信

キャンペーン配信

顧客の裾野を広げたいとき、新規顧客を獲得するには、手間もコストもかかります。そのようなときに見逃してはならないのが、休眠顧客の存在です。リテンションマーケティングでは、アプリなどとリンクしたキャンペーンを行うことで、休眠顧客に対してクーポンなどのお得な情報を配信し、購入やサービス利用の再活性化を促すことが可能となります。もちろん、休眠顧客以外にもキャンペーン配信は有効です。利用した顧客に対して、次につなげていくためのフォローを行うなど適切な施策を行うことで、優良顧客へのナーチャリングが期待されます。

6. リテンション広告

リテンション広告

リテンションマーケティングにおいてリテンション広告は、既存顧客の維持や休眠顧客を呼び戻すための施策となり得ます。サイトやアプリ内にWEB広告効果測定ツールを実装することにより、広告効果の測定を行うことができます。 リテンション広告は、WEBで表示される広告全般を指し、サイトの様々な位置に表示されるものや、動画の合間に流れる広告も含まれるため、プッシュ通知をオフ設定にしている顧客にもリーチします。 リテンション広告では、目的の明確化が欠かせません。新規顧客を獲得したい、既存顧客に継続的購入や利用を促したい、休眠顧客を活性化させたいといったような目的設定がはっきりしないと、広告で打ち出したいことが顧客に伝わりづらくなります。そのためにはシナリオを描き、顧客へリーチする広告づくりが求められます。また顧客セグメントの違いにより、ふさわしい配信プラットフォームを選ぶことも重要となります。

7. カスタマーサポート・WEB接客

カスタマーサポート・WEB接客

お客様窓口、ユーザーサポートなど言い方はいろいろありますが、顧客の問い合わせに対処する業務のことを指します。対面、電話、メール、チャットやLINEなど、様々な方法があります。WEB接客は、そのなかのネットを介しての顧客対応となりますが、ポップアップやチャットを用いると、Q&A的に顧客の状況に合わせた対応が可能となります。 顧客の年代、セグメントに合わせ、いろいろな窓口を設けることで、“問い合わせ迷子”にならず、リテンションにつなげることが可能となります。スムーズな対応により、リピート率の向上が期待できるでしょう。 問い合わせにより疑問や不明な点を解消することで、商品購入やサービス利用につながり、顧客満足度の向上にもなります。また顧客の声に直接耳を傾けることで、自社の商品やサービスに対する率直な意見収集することができます。収集したユーザーからの声を商品開発部門等にフィードバックすることで、商品クォリティやサービスの向上につなげて行くことが可能となり、マーケティング施策に活用することができます。


8. カスタマーサクセス

カスタマーサクセス

顧客からのアクションにより受身的に対応するのは、カスタマーサポートですが、こちらから顧客に対して、能動的にアクションを起こすカスタマーマーケティンのことを、カスタマーサクセスと呼ぶようになりました。 リテンションマーケティングでは、既存顧客の支援を行うことにより、LTVを向上させることを目的としています。顧客との関係づくりにもつながるため、リテンションマーケティングの手法として、注目を集めています。 LVTの頻度により支援する顧客をセグメントする必要があり、それぞれのLVTレベルに合わせ、パフォーマンス向上のためのアプローチを変えていく必要があります。使い方が解らないユーザーに対するセミナー開催、FAQページ作成、導入支援など、オンボーディングといわれる施策がよく行われています。

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