Make ファイルの使用

この章では、サンプルとともに提供されている Make ファイルについて詳しく説明します。例としてサンプル 2a を使用します。

必要に応じて、make ファイルを使用しないで、コマンド プロンプト ウィンドウにコマンドを直接入力することもできます。コマンドを確認するには、『JRun によるアプリケーションの開発』の「Bean の公開」セクションを参照してください。

Make および makew

JRun には UNIX および Windows 用に個別の make ファイルがあります。UNIX 用の make ファイルは make と呼ばれ、GNU make ユーティリティを使用します。一方、Windows 用 make ファイルの名前は makew で、ファイル形式は BAT です。


メモ

本書で make コマンドを使用する場合、Windows ユーザはそれを makew に置き換える 必要があります。


make ファイルについて

このセクションでは、UNIX でサンプルを実行する際に使用する make ファイルの内容を説明します。Windows での (makew の代わりの) make ファイルの実行については、"Cygnus ユーザへの注意事項" を参照してください。

Bean のホームおよびリモートのインターフェイス名、およびその実装は、JRun のルート ディレクトリ/samples/sample2a/ejbeans/Makefile に示されている方法で指定する必要があります。すべての Bean ファイルを、次の形式でインクルードしてください。

sources = $(addprefix ejbeans/, \
RemoteName.java\
BeanName.java\
HomeName.java\
)

クライアント関連 Java ファイルを指定します。たとえば、JRun のルート ディレクトリ/samples/sample2a/client には、クライアント関連ファイルの名前がすべて記述されています。次の形式でクライアント ファイルを追加します。

sources = $(addprefix client/, \
ClientUI.java\
MainPanel.java\
)

JRun のルート ディレクトリ/samples/sample2a/Makefile ファイルに説明されているように、Bean のホームおよびリモート インターフェイス クラスも指定する必要があります。次の形式で、Bean のホームおよびリモート インターフェイスをインクルードしてください。

ejb_clients = \
ejbeans/RemoteName.class\
ejbeans/HomeName.class

makew ファイルについて

このセクションでは、Windows で EJB サンプルを実行する際に使用する makew ファイルの内容を説明します。

JRun のルート ディレクトリ/samples/sample2a/ejbeans/makew.bat ファイルに説明されているように、Bean のホームおよびリモート インターフェイス名、およびその実装を指定する必要があります。すべての Bean ファイルを次の形式でインクルードしてください。

@set sources=ejbeans\Balance.java ejbeans\BalanceBean.java 
ejbeans\BalanceHome.java

JRun のルート ディレクトリ/samples/sample2a/client/makew.bat に示されているとおりに、クライアント関連 Java ファイルを指定します。次の形式でクライアント ファイルを追加します。

@set sources=client\ClientUI.java client\EjbClient.java
client\LoginEvent.java client\LoginPanel.java
client\MainPanel.java client\Request.java

JRun のルート ディレクトリ/samples/sample2a/make1.bat に示されている方法で、Bean のホームおよびリモート インターフェイス クラスも指定する必要があります。次の形式で、Bean のホームおよびリモート インターフェイスをインクルードしてください。この例では、Balance.class がリモート インターフェイスで、BalanceHome.class がホーム インターフェイスです。

@set ejb_clients=ejbeans\Balance.class ejbeans\BalanceHome.class

Make Jars の使用

make ファイルを使用するには、コマンド プロンプトを開き、シェル (bash または DOS) を起動します。JRUN_HOME を JRun のインストール ディレクトリに設定してから、作業ディレクトリに移動して次のように make jars を実行します。

bash$ export JRUN_HOME=JRun のルート ディレクトリ
bash$ cd JRun のルート ディレクトリ/プロジェクトパス
bash$ make jars 

Windows の場合、DOS シェルを起動して次のように makew jars を実行します。

set JRUN_HOME=JRun のルート ディレクトリ
cd JRun のルート ディレクトリ/プロジェクトパス
makew jars

Make Deploy の使用

Deploy ツールによってホームおよびリモート実装が生成されます。このツールは JDK コンパイラを使用しますが、deploy.properties ファイルの ejipt.javac プロパティを設定すれば変更できます。

Bean の JAR ファイルを作成すると、make deploy を使用して Bean を公開できます。この場合、すべての Bean の実装は再生成されます。

bash$ make deploy

次のような出力が表示されます。

Generating BalanceHomeObject...
Generating BalanceObject...
Compiling files...
Generating BalanceHomeObject_Stub...
Generating BalanceObject_Stub...
Compiling files...

Make Redeploy の使用

make redeploy コマンドは、-redeploy オプションを指定して Deploy ツールを呼び出します。-redeploy オプションを指定すると、新しい Bean についてのみ、または Deploy ツールを前回実行した以後に更新された Bean についてのみ実装生成するという指示が、Deploy ツールに対して出されます。

bash$ make redeploy

Make Standalone の使用

make standalone コマンドは、/deploy ディレクトリの JAR ファイルを使用して EJB エンジンをスタンドアロン モードで起動します。/deploy ディレクトリ内の JAR およびプロパティ ファイルは、/runtime ディレクトリにコピーされます。

bash$ make standalone

EJB エンジンは、起動が完了すると、要求を処理する準備が整います。その後は、クライアントを起動して、サーバに接続できます。


メモ

make standalone コマンドは、default JRun サーバのディレクトリおよびポート設 定を使用して EJB エンジンを起動します。ユーザが make standalone を出している 間、default JRun サーバは実行できません。


EJB エンジンをスタンドアロン モードで実行すると、Bean の処理をコンソール ウィンドウに表示できます。make standalone に代わる方法としては、make deploy を実行した後で default JRun サーバを再起動し、クライアント処理のために make コマンドを出し、クライアント アプリケーションを実行してから default JRun サーバのログ ファイル (JRun のルート ディレクトリ/logs/default-event.log) でその結果を調べます。

Make Run の使用

make run コマンドは EJB サンプルのクライアント部分を起動します。このコマンドを使用してクライアント アプリケーションを起動します。

bash$ make run

Make Users の使用

make users コマンドは EJB サンプル ユーザを、サンプル 9b と併用する
users.properties ファイルに追加します。または、makew clean-users コマンドを使用して users.properties から EJB サンプル ユーザを削除することもできます。このコマンドを使用してサンプル ユーザを追加します。

bash$ make users

このコマンドを使用して users.properties ファイルから EJB サンプル ユーザを削除します。

bash$ make clean-users

Make Classes の使用

make classes コマンドは、変更された Bean の実装を /runtime/classes ディレクトリにコンパイルします。このコマンドを実行した後に、load コマンドを使用して、/runtime/classes ディレクトリから Bean を再ロードする必要があります。このコマンドを使用して動的な Bean をロードします。

bash$ make classes

Make Start の使用

make start コマンドは、/deploy ディレクトリの JAR ファイルを使用して EJB エンジンをフェイルセーフ モードで起動します。/deploy ディレクトリ内の JAR およびプロパティ ファイルは、/runtime ディレクトリにコピーされます。

bash$ make start

サーバが起動すれば、要求を処理する準備が整います。その後は、クライアントを起動して、サーバに接続できます。

Make Restart の使用

make restart コマンドは、/runtime ディレクトリに以前にコピーされた JAR ファイルを使用して EJB エンジンをフェイルセーフ モードで起動します。

bash$ make restart

サーバが起動すれば、要求を処理する準備が整います。その後は、クライアントを起動して、サーバに接続できます。