JRun によるアプリケーションの開発
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JRun の概要
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JRun アーキテクチャ モデル
Web でのアプリケーション開発の標準は、J2EE 仕様に基づいています。JRun は、J2EE アプリケーション モデルをサポートし、J2EE アプリケーションを実行するための実行時環境を提供します。
J2EE アプリケーション アーキテクチャは、3 階層アプリケーション モデルをサポートしています。このモデルはビジネス Web サイトの機能を、互いに独立して実装される別個のコンポーネントに分割します。
3 階層モデルの階層には、次のような特性があります。
- クライアント層 ブラウザを使用してインターネットなどの HTTP 接続で中間層にアクセスする Web クライアント。この層には、クライアントのコンピュータ上で実行されるアプレットが含まれます。
- 中間層 Web サイトのビジネス ロジック。この層には、プレゼンテーション ロジックと Web サイトを定義するビジネス ルールの両方が含まれます。JRun を使用して、中間層にアプリケーションを実装します。
- データ層 Web サイトのビジネス データが含まれる Enterprise データ ストア。
次の図は、この 3 階層モデルを示します。
この 3 階層アーキテクチャは、Web サイト開発者にとって次のようなメリットがあります。
- 階層または階層のコンポーネントを複数のハードウェア システムに分散して、システムの拡張性とパフォーマンスを改善できます。
- 中間層は、Enterprise データ ストアへのアクセスの複雑性からクライアントを保護します。
- Java サーブレット API は、Java サーブレット、JSP、HTML ページなどのスタティック コンテンツ、その他のアプリケーション リソースから構成されるように Web アプリケーションを定義します。JRun は、Web サーバーで Web アプリケーションを処理できるようにします。
- Enterprise JavaBeans は、Enterprise データへのアクセスを共有するために複数のアプリケーションが再利用できる安全なコンポーネント ソリューションを提供します。Web アプリケーションは EJB にアクセスできます。または、Web クライアントがこれらに直接アクセスできます。
- コンポーネント アーキテクチャでは、アプリケーション開発を開発グループに分散できます。たとえば、JSP 開発者は通常、ビジネス ルールの実装ではなくプレゼンテーション情報にかかわります。一方、EJB 開発者はデータのアクセスと操作にかかわりますが、プレゼンテーションにはかかわりません。
JRun の 3 階層モデルのサポート
JRun を使用して、3 階層モデルの中間層に J2EE アプリケーションを実装します。JRun は、次のコンポーネントで構成される Web アプリケーションを開発するための最新の業界標準を完全にサポートしています。
- Java サーブレット Java サーブレットは、Web サーバーにカスタム機能を追加するのを可能にする Java 言語で書かれたサーバー側コンポーネントです。サーブレットは、HTTP 要求/応答モデルをサポートしており、データのアクセスおよび操作に使用される EJB コンポーネントにアクセスできるため、Web ベースのアプリケーションに適合しています。Java サーブレットの作成方法の詳細については、第 3 章を参照してください。
- JavaServer Pages JSP によって、HTML とスクリプト コードの組み合わせを含むテキスト ファイルからサーブレットを作成できます。クライアントにより JSP が要求されると、そのページが Java サーブレットに変換されます。JSP のスクリプト部によって、クライアントにダイナミック コンテンツを返すことができます。また、JSP から Java サーブレット、カスタム タグ ライブラリ、および EJB にアクセスできます。JSP の作成方法の詳細については、第 3 章を参照してください。
- Enterprise JavaBeans EJB は、ビジネス ロジックを含む再利用可能な Java コンポーネントの開発および公開を可能にします。EJB 1.1 の仕様は、ソフトウェア コンポーネント モデルを定義します。これにより、EJB 対応のアプリケーション サーバーを使用して、サーバー側アプリケーション ロジック (Bean) を公開できます。JRun の EJB サポートには、Bean アクセスを制御するためのセキュリティ サービスとトランザクション、オブジェクトのパーシスタンスが含まれます。EJB の作成方法の詳細については、第 4 章を参照してください。
JRun を使用すると、EJB として実装されたビジネス ロジックを Web アプリケーションとして実装されたプレゼンテーション ロジックと結合し、単一の J2EE アプリケーションにすることができます。Web アプリケーションは、ダイナミック コンテンツを Web クライアントに配信するために、Java サーブレットおよび JSP を使用して EJB に含まれるビジネス ロジックにアクセスします。
次の図は、J2EE アプリケーションのコンポーネントを示します。
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