接続の概要

J2EE アプリケーションを処理するために、Web サーバは JRun と通信するクライアントとして機能します。このため、Web サーバは JRun との接続を確立させる必要があります。JRun コネクタは、外部 Web サーバへのリクエストに割り込みを行い、Web サーバに渡すか JRun で処理するかを決めるフィルタです。JRun には、この接続を行うネイティブサーバ接続モジュールが用意されています。

ネイティブのサーバ接続モジュールは、特定の Web サーバ、ハードウェアアーキテクチャ、およびオペレーティングシステムに対応してコンパイルされています。JRun には、NSAPI、ISAPI、Apache 1.3 および 2.0 DSO インターフェイス用のコネクタが用意されています。これらのインターフェイスは、JRun 対応のハードウェアアーキテクチャおよびオペレーティングシステムごとに NES、Zeus、IIS、および Apache Web サーバをサポートします。

JRun 4 は、スタンドアローンの Java アプリケーションサーバとして、あるいは既存の Web サーバに Web アプリケーションのサポートを追加するプラグインモジュールとして動作します。スタンドアローンの場合、JRun は、統合 JWS (JRun Web Server) を使用して動作します。プラグインモジュールの場合は、Web サーバ設定ツールを使用して JRun を外部 Web サーバに接続します。

JRun では、さまざまな Web サーバをサポートします。JRun と Web サーバの接続を設定するための基本手順は、すべての Web サーバで同じですが、各 Web サーバには固有の構成情報および設定があります。

同じコンピュータ上で実行する Web サーバおよび JRun サーバ間の接続を設定するには通常、Web サーバ設定ツールを使用します。ただし、Web サーバと JRun は必ずしも同じコンピュータ上にインストールする必要はありません。JRun を外部 Web サーバに接続する場合は、Web サーバのリクエストを処理する JRun サーバまたは JRun クラスタを選択する必要があります。

メモ:  JRun サーバがクラスタを構成している場合は、Web サーバコネクタによってロードバランスとフェイルオーバーが自動的に有効になります。

JRun コネクタについての詳細および分散環境での JRun の設定については、JRun 管理者ガイドを参照してください。

メモ:  Web サーバ設定ツールを実行する前に JRun サーバをインストールし、起動してください。Web サーバ設定ツールを実行するには、管理者権限 (Windows NT) またはルート権限 (UNIX) が必要です。

JRun の外部 Web サーバへの接続

JRun を外部 Web サーバに接続するための一般的な手順は次のとおりです。

JRun を外部 Web サーバに接続するには

  1. JRun をインストールし、接続する JRun サーバを起動します。JRun サーバがクラスタの一部となっている場合は、クラスタ内のすべての JRun サーバを起動します。

    詳細については、第 2 章、「JRun のインストール」を参照してください。

  2. JRun Web サーバ設定ツールを、外部 Web サーバが配置されているマシンにインストールして実行します。

    詳細については、 「Web サーバ設定ツールの実行」 を参照してください。

  3. JRun と Web サーバの接続を確認します。

    詳細については、 「JRun と外部 Web サーバ間の接続の確認」 を参照してください。

後続のセクションでは、JRun でサポートされている特定の Web サーバ用の手順について説明します。
Web サーバ
プラットフォーム
IIS 4.0/5.0
Windows NT/2000/XP
Apache 1.3.20 以降、および 2.0
サポートされているプラットフォームすべて
Netscape (iPlanet) 3.6、4.0、
および 6.0
サポートされているプラットフォームすべて
Zeus 4.0
サポートされているすべての Linux プラットフォーム、および Solaris

サポートされている Web サーバとプラットフォームの詳細リストについては、第 1 章の「JRun をインストールするためのシステム必要条件」を参照してください。

Secure Sockets Layer (SSL) の使用

JRun では、Web サーバと JRun サーバ間の通信に SSL を使用できます。ほとんどの運用環境では Web サーバはファイアウォールの背後に配置されているため、通常は Secure Socket Layer (SSL) は不要です。しかし、Web サーバコネクタに SSL を使用することによって、セキュリティを最大限強化できます。

Web サーバコネクタについて SSL を有効にするには、Web サーバ設定ツールを実行する前に、SSL の JRun サーバプロキシサービスを設定する必要があります。

Web サーバコネクタの SSL を有効にするには

  1. 次の Java keytool コマンドを使用してキーストアファイルを作成します。たとえば次のようなコマンドを使用します。
    keytool -genkey -dname "cn=<サーバ名または IP アドレス>, 
    ou=JRunEngineering, o=Macromedia, L=Newton, ST=MA, C=US" 
    -keyalg rsa -keystore <キーストア名> 
    

    プロンプトが表示されたら、6 文字以上の適切なパスワードを入力します。

  2. キーストアファイルに証明書を追加するには、keytool コマンドを再実行します。

    メモ:  運用環境では、証明書機関から署名された証明書を取得します。

  3. jrun.xml ファイルを開き、プロキシサービスの keyStorekeyStorePassword、および trustStore (オプション) 属性に適切な値を設定します。

    keyStore および trustStore 属性は、キーストアファイルおよびトラストストアファイルのパスとファイル名です。

  4. OpenSSL をダウンロードしてビルドします。OpenSSL の配布版 (tar.gz ファイル) は、http://openssl.org から入手できます。OpenSSL 配布版をダウンロードし、このファイルに含まれているインストール手順に従って、ご使用の OS にビルドしてください。コンパイルした OpenSSL コードを <JRun のルートディレクトリ>/servers/lib などのシステムパス内のディレクトリに配置します。
  5. Web サーバ設定ツールを実行します。

    詳細については、 「Web サーバ設定ツールの実行」 を参照してください。