ADOBE®   MEDIA SERVER 5.0.3

デベロッパーズガイド


翻訳:株式会社サムライズ

 

注意

Adobe Media Server® バージョン 5についての本ドキュメントは第三者によって翻訳されたものであり、Adobe Systems Incorporated(アドビ システムズ社)は本翻訳物の正確性や完全性を査閲していません。

 

代替オーディオの設定

 

Adobe Media Serverは、HTTPのビデオ配信で多言語に対応しています。オーディオトラック11つのためにビデオを複製したり再パッケージ化したりする必要もありません。この機能はオーディオトラックの「遅延」結合と呼ばれ、コンテンツプロバイダーは1つのビデオコンテンツに複数の言語トラックを簡単に、しかもそのコンテンツを最初にパッケージ化する前だろうが後だろうが関係なく、提供することができます。ビデオコンテンツを最初にパッケージ化する際はオーディオトラックを1つパッケージ化しますが、その後さらにオーディオトラックを追加することができます。ビデオプレイヤーを再生前・再生中のオーディオトラック切り替えに対応させることもできます。

 

視聴者が適切なオーディオを選択できます

 

この機能の主な用途は、コンテンツプロバイダーが複数の言語でビデオを公開することができることです。視聴者はOSMFプレイヤーを使ってそのようなビデオを購読し、OSMFプレイヤー上で再生前や再生中にオーディオトラックを切り替えることができます。

 

 

HDS-VOD再生のワークフロー

以下にHDS-VODの場合におけるコンテンツ公開のワークフローの概要を示します:

 

1   コンテンツプロバイダーは、セットレベルマニフェストF4Mファイルの記述通りに「vod」ディレクトリにビデオを配置します。このセットレベルマニフェストファイルには、どのビデオをデフォルトで再生するか、どのオーディオトラックを代替オーディオとして使用するかを記述します。例えば、ビデオストリームvideo1.mp4を言語トラックvideo1_french.mp4video1_spanish.mp4と共に公開し、ユーザーがオーディオを切り替えられるようにしたい場合は、セットレベルマニフェストF4Mであるvideo1_master.f4mを作成し、vodサブディレクトリに配置します。このセットレベルマニフェストファイルには以下の内容を記述します:

 

<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>

<manifest xmlns="http://ns.adobe.com/f4m/2.0">

<media href="../hds-vod/video1.mp4.f4m" bitrate="1000"/>

<media href="../hds-vod/audio-only/video1_french.mp4.f4m"

bitrate="200" type="audio" label="french" lang="fr" alternate="true"/>

<media href="../hds-vod/audio-only/video1_spanish.mp4.f4m" bitrate="200" type="audio" label="spanish" lang="es" alternate="true"/>

</manifest>

 

2   視聴者がストリームを再生するとき、プレイヤーはこのセットレベルマニフェストファイルを読み込み、デフォルトではvideo1.mp4ファイルを、その中に収録されているオーディオデータと共に再生します。プレイヤーはマニフェストファイルvideo1.mp4.f4mをサーバーに要求します。オンデマンドHDS用のApacheモジュールがマニフェストファイルを作成し、プレイヤーに送信します。そしてプレイヤーはvideo1.mp4ファイルのフラグメントを要求し、そのフラグメントを再生します。

3   視聴者が他のオーディオラベル(この例ではfrenchspanish)に切り替えると、プレイヤーは選択されたオーディオのマニフェストファイルを要求します。例えば視聴者がフランス語トラックを選択した場合は、プレイヤーはフランス語のオーディオのみのストリームを取得するために、そのマニフェストであるvideo1_french.mp4.f4mファイルを要求します。

4   Adobe Media ServerはそのF4Mの要求に「audio-only」要素が付随していることを解し、ステップ2と殆ど同様のマニフェストファイルをジャストインタイムで作成します。

5   すると、プレイヤーは両方のメディアファイル(video1.mp4video1_french.mp4)について、それぞれのマニフェストF4Mファイルに基づきフラグメントを要求することになります。前者のメディアファイルについては、プレイヤーはフラグメントの取得を続けます。しかし後者のメディアファイルvideo1_french.mp4については、そのマニフェストF4Mファイルに従い、「audio-only」の値を付加しメディアURLのフラグメントを取得しようと試みます。そのフラグメントの要求は'/hds-vod/audio-only/video1_french.mp4Seg1-Frag1'という形式になります。

6   そのフラグメントの要求に応じる際、Adobe Media Serverは要求が「audio-only」であることを理解し、「video1_french.mp4」ファイルのフラグメントの要求に対してオーディオデータのみを送ります。このフラグメントはジャストインタイムで生成されて送信されます。もし「audio-only」要素がなければ、そのフラグメントのビデオデータが送信されます。

 

オンデマンドでの代替オーディオのストリーミング

 

HLS-VOD再生のワークフロー

以下にHLS-VODの場合におけるコンテンツ公開のワークフローの概要を示します:

 

1   コンテンツプロバイダーは、バリアント再生リストM3U8ファイルの記述通りに「vod」ディレクトリにビデオを配置します。このバリアント再生リストには、どのビデオをデフォルトで再生するか、どのオーディオトラックを代替オーディオとして使用するかを記述します。例えば、ビデオストリームvideo1.mp4を言語トラックvideo1_french.mp4video1_spanish.mp4と共に公開し、ユーザーがオーディオを切り替えられるようにしたい場合は、バリアント再生リストM3U8であるvideo1_master.m3u8を作成し、vodサブディレクトリに配置します。このバリアント再生リストファイルには以下の内容を記述します:

 

#EXTM3U

#EXT-X-MEDIA:TYPE=AUDIO,GROUP-ID="aac",NAME="English",

DEFAULT=YES,AUTOSELECT=YES,LANGUAGE="en", URI="../hls-vod/audio-only/video1.mp4.m3u8"

#EXT-X-MEDIA:TYPE=AUDIO,GROUP-ID="aac",NAME="French",

DEFAULT=NO,AUTOSELECT=NO,LANGUAGE="fr", URI="../hls-vod/audio-only/video1_french.mp4.m3u8"

#EXT-X-MEDIA:TYPE=AUDIO,GROUP-ID="aac",NAME="Spanish",

DEFAULT=NO,AUTOSELECT=NO,LANGUAGE="es", URI="../hls-vod/audio-only/video1_spanish.mp4.m3u8"

#EXT-X-STREAM-INF:BANDWIDTH=1280000,CODECS="mp4a.40.5",AUDIO="aac"

../hls-vod/video1.mp4.m3u8

 

2   視聴者がストリームを再生するとき、プレイヤーはこのバリアント再生リストファイルを読み込み、デフォルトではvideo1.mp4ファイルを、その中に収録されているオーディオデータとと共に再生します。プレイヤーはマニフェストファイルvideo1.mp4.m3u8をサーバーに要求します。オンデマンドHLS用のApacheモジュールがマニフェストファイルを作成し、プレイヤーに送信します。そしてプレイヤーはvideo1.mp4ファイルのフラグメントを要求し、そのフラグメントを再生します。

3   視聴者が他のオーディオラベル(この例ではfrenchかspanish)に切り替えると、プレイヤーは選択されたオーディオのマニフェストファイルを要求します。例えば視聴者がフランス語トラックを選択した場合は、プレイヤーはフランス語のオーディオのみのストリームを取得するために、そのマニフェストであるvideo1_french.mp4.m3u8ファイルを要求します。

4   Adobe Media ServerはそのM3U8の要求に「audio-only」要素が付随していることを解し、ステップ2と殆ど同様のマニフェストファイルをジャストインタイムで作成します。

5   すると、プレイヤーは両方のメディアファイル(video1.mp4とvideo1_french.mp4)について、それぞれの再生リストM3U8ファイルに基づきフラグメントを要求することになります。前者のメディアファイルについては、プレイヤーはフラグメントの取得を続けます。しかし後者のメディアファイルvideo1_french.mp4については、その再生リストM3U8ファイルに従い、「audio-only」の値を付加しメディアURLフラグメントを取得しようと試みます。そのフラグメントの要求は'/hls-vod/audio-only/video1_french.mp4Seg1-Frag1'という形式になります。

6   そのフラグメントの要求に応じる際、Adobe Media Serverは要求が「audio-only」であることを理解し、「video1_french.mp4」ファイルのフラグメントの要求に対してオーディオデータのみを送ります。このフラグメントはジャストインタイムで生成されて送信されます。もし「audio-only」要素がなければ、そのフラグメントのビデオデータが送信されます。

注: HLS用にオーディオのみのストリームをパッケージ化するには、「オーディオのみのストリームのパッケージ化」を参照してください。HLS用にオーディオのみのストリームをパブリッシュするには、オーディオのみのストリームのパブリッシュを参照してください。

 

 

 

 

最終更新日 2013/9/30