設計目標と方針

JRun タグライブラリは、次の設計上の目標に沿って開発されました。

共通に利用できる Java API およびサーバ側処理の抽象化 - JSP 開発者が JSP に書き込む Java コード行が多すぎる場合、JSP ページの読み取りと管理が困難になることがあります。また、開発者は、標準 JSP 仕様では直接処理しない作業を実行するために各種の Java API を理解しなければならない場合もあります。これらの問題は、JSP で JavaBeans を使用することによって一部は処理されます。ただし、Bean 間の通信が必要な場合にこの方法が必ずしも有効であるとは限りません。JSP カスタムタグモデルでは、タグベースのスクリプト作成、タグ間の通信、親 - 子タグの通信の機能により、これらの問題がより適切な形で解決されます。
J2EE では、Web アプリケーション開発で最も一般的に使用される Java API の概要が説明されます。開発者は、JRun タグライブラリを使用すると、Java コードの書き込みを行わずにほとんどのタスクが実行できます。データベースクエリは、 JRun タグライブラリによって複雑な処理が抽象化される領域の例です。タグ拡張機能がない場合、開発者は必要なデータベースクエリを実行するために Java スクリプトレットに JDBC コードを書き込み、高度にフォーマットされたプレゼンテーションコードで、結果セットを表示する必要があります。その結果、開発サイクルが非常に長くなり、エラーの多発を招く可能性があります。また、開発者が複数の Java API 実装を使用してコードを書き込む必要がある場合には、さらに状況が悪化します。
簡潔な構文の提供 - タグの抽象化が特定の Java API のすべての局面をカバーするわけではありませんが、JRun タグライブラリは、重要な API の大部分の処理を可能にする簡潔な構文を提供することによって、バランスをとっています。
移植性の提供 - JSP 仕様により、カスタムタグを持つ JSP を含む JSP が、さまざまなベンダから提供される JSP コンテナ内でまったく同じ機能を持つようになりました。移植性を最大限に活用するため、JRun タグライブラリは、関連するすべての J2EE の要求事項に完全に合致しています。
業界標準のサポート - JRun タグライブラリでは、移植性を最大限に活用するため、可能な限り標準 API を使用しています。

JRun タグライブラリリファレンス
JRun タグライブラリの概要