JRun のインストールと設定が完了すると、JRun を外部 Web サーバに接続できます。たとえば、Apache に対して出された要求は、JRun フィルタによって検証され、処理された後、Apache Web サーバ経由で要求元のクライアントに送信されます。
各 JRun サーバは、既定では JRun Web サーバ (JWS) のインスタンスに接続されることに注意してください。ただし、JWS は軽量な Web サーバです。アプリケーションに対するリモート アクセスの保護や、より強力な環境内でのアプリケーションの実行を計画している場合は、Apache、Netscape iPlanet、Microsoft IIS などの外部 Web サーバに JRun サーバを接続する必要があります。1 つの JRun サーバに対して、任意の数の Web サーバを接続できます。
JRun サーバを外部 Web サーバに接続するには 2 つの方法があります。どちらの方法も Web サーバのコンフィギュレーション ファイルを変更することにより、Web サーバと JRun サーバ間の通信を確立します。接続方法は次のとおりです。
製品版ユーザは、コネクタ ウィザードを使用して JRun サーバを外部 Web サーバに接続できます。コネクタ ウィザードを使用するには、ユーザが管理者 として JRun 管理コンソールにログインする必要があります。詳細は、『JRun セット アップ ガイド』を参照してください。
OEM リソースの allaire.jrun.admin パッケージには ConnectorInstaller
ユー
ティリティが含まれています。このユーティリティは、コマンド ラインから呼び
出すことができます。
Microsoft IIS に JRun を接続する場合は、metaset
(IIS 4.0 の場合) または regset
(IIS 3.0 の場合) も使用できます。"IIS でのコネクタのインストールとアンインス
トール"で説明しているように、これらのユーティリティはメタベースおよび
Windows レジストリの編集に使用されます。ConnectorInstaller
の代わりにこれ
らのユーティリティを使用できます。
ConnectorInstaller
ユーティリティは、コマンド ライン、Java アプリケーション、またはバッチ ファイルやスクリプトから実行できます。このユーティリティでは、システム固有の設定が必要になります。この設定については、コマンド ラインでユーザに対してプロンプトを出力するか、ConnectorInstaller
が呼び出されたときに読み込むファイルに含めることができます。
ConnectorInstaller クラスは、jmc-app の WEB-INF/lib ディレクトリ内の jmc-app.jar ファイルに含まれています。
次の手順は、コマンド ラインから ConnectorInstaller
を使用する方法を示します。バッチ ファイルから ConnectorInstaller
を使用する例については、"ConnectorInstaller とファイル転送の併用"を参照してください。
ConnectorInstaller
を呼び出します。java -cp [クラスパス] allaire.jrun.admin.ConnectorInstaller JRun のルート ディレクトリ
クラスパスには、少なくとも次のパッケージを指定する必要があります。
jrun.jar servlet.jar jmc-app.jar次に例を示します。
C:¥>java -cp "c:¥program files¥allaire¥jrun¥servers¥admin¥jmc-app ¥web-inf¥lib¥jmc-app.jar;c:¥program files¥allaire¥jrun¥lib¥ jrun.jar;c:¥program files¥allaire¥jrun¥lib¥ext¥servlet.jar" allaire.jrun.admin.ConnectorInstaller "c:¥program files¥allaire¥jrun"次のようなメッセージが表示されます。
Welcome to JRun 3.0 Connector Wizard. Please stop your target web server before proceeding. Press 'Enter' to continue.ConnectorInstaller
ユーティリティによって、コネクタ ウィザードのフィールドに対応する補足情報の入力が要求されます。次の表を参考にして、必要な値を設定してください。
JRun サーバを接続している Web サーバの種類によっては、上記以外にも 選択項目があります。表示される可能性があるその他のプロンプトについては、 次の表を参照してください。
ConnectorInstaller
によって必要なファイルがコピーされ、入力に基づいて Web サーバのコンフィギュレーション ファイルが編集されます。Web サーバのコンフィギュレーション ファイルまたは JRun のプロパティに加える変更の詳細は、『JRun セットアップ ガイド』内のコネクタ ウィザードに関する説明を参照してください。
簡単なプログラミング テクニックを使用すると、ConnectorInstaller
を自動化して独自のインストーラに組み込めます。たとえば、プロンプトに対する応答を指定したファイルを作成し、ファイル転送とともに ConnectorInstaller
を呼び出して、コマンド ライン インターフェイスの代わりにそのファイルから入力を取得します。
プロンプトは Web サーバごとに異なるため、コマンド ラインから
ConnectorInstaller を何度か実行しなければならない場合があります。詳細は、"
コマンド ラインからの ConnectorInstaller の使用"を参照してください。
ConnectorInstaller
のプロンプトに対する応答を指定したテキスト ファイルをプログラムで作成するか、インストール パッケージ内のファイルを編集します。1 行に 1 つずつ応答を指定し、各応答の後で改行します。たとえば、テキスト ファイルの内容は次のようになります。
1 4 2 1 127.0.0.1 8081 c:¥inetpub¥scripts 2 1
この場合、最初の行には改行のみが入っているので注意してください。これにより、
JRun インストーラで既定値が使用されます。また、このファイルはプレーン
テキストとして保存する必要があります。
ConnectorInstaller
を呼び出し、テキスト ファイルを転送して入力を行います。ConnectorInstaller
を呼び出すには、バッチ ファイルを使用するか、Runtime.exec()
を呼び出します。たとえば、テキスト ファイルが answers.txt で、JRun のルート ディレクトリが c:¥Jrun である場合は、バッチ ファイルに次の行を含めます。
java allaire.jrun.admin.ConnectorInstaller c:¥jrun < answers.txt
"<" 記号に注意してください。この記号は、プログラムの動作を停止してキーボード
からの入力を待つのではなく、転送されたファイルから次の行を読み込むように
ConnectorInstaller
に指示します。
ConnectorInstaller の出力を表示しない方が良い場合があります。UNIX では、
> /dev/null を使用して ConnectorInstaller の出力をヌル デバイスに転送できます。
Windows では、> /temp/ci.tmp を使用して temp ディレクトリ内の .tmp ファイル
に出力を転送できます。
OEM リソースには、Microsoft IIS 3.0 および 4.0 に対応する JRun コネクタをインストールまたはアンインストールするためのユーティリティが 2 つあります。ほとんどの場合は、"ConnectorInstaller ユーティリティの使用"で説明したConnectorInstaller
ユーティリティを使用してコネクタを IIS にインストールしますが、Allaire では metaset
および regset
という 2 つのユーティリティも提供しています。たとえば、分散環境において JRun をインストールする際に、IIS と JRun を別のマシンに接続し、ConnectorInstaller
ユーティリティがネットワーク間で使用できない場合には、この 2 つのユーティリティを使用します。
メモ
|
IIS 3.0 は Windows のレジストリを使用して設定情報を格納します。コネクタを IIS 3.0 にインストールするには、コマンド ライン ユーティリティの regset.exe
を使用します。
IIS 4.0 および 5.0 はメタベースを使用して設定情報を格納します。メタベースは Windows レジストリに類似していますが、アクセスの高速化 (ファイル サイズの縮小) により重点が置かれています。JRun 接続情報に関して IIS 4.0/5.0 メタベースを更新するには、metaset.exe
を使用します。
regset
および metaset
ユーティリティの構文は次のとおりです。
regset -[i|d] jrun.dll_path [-quiet] metaset -[i|d] /n jrun.dll_path [-quiet]
metaset は JRun のルート ディレクトリ¥connectors¥isapi¥intel-win
¥metaset.exe に、regset は JRun のルート ディレクトリ¥connectors
¥isapi¥intel-win¥regset.exe にあります。
-quiet
オプションを使用すると、操作の成否にかかわらず、出力結果が作成されません。
-i
オプションは、コネクタをインストールするときに使用します。
-d
オプションは、コネクタをアンインストールまたは削除するときに使用します。metaset
および regset
のオプションについては、以降のセクションを参照してください。
regset
または metaset
を使用してコネクタをインストールする場合、jrun.dll ファイルおよび jrun.ini ファイルを適切な場所 (通常は /inetpub/scripts ディレクトリですが、設定によっては異なる場合もあります) にコピーする必要があります。
jrun.dll は ISAPI フィルタであり、Web サーバに対する HTTP 要求を中断し、JRun の処理として適切な要求を JRun に渡します。jrun.ini ファイルは jrun.dll を初期化します。
場合によっては、JRun コネクタを正しく機能させるために、jrun.ini ファイル内の一部の設定を変更する必要があります。jrun.ini ファイルのプロパティと分散環境での JRun のインストールについては、『JRun セットアップ ガイド』を参照してください。
メモ JRun コネクタをインストールするときは、 |
regset
ユーティリティは、Windows レジストリに JRun コネクタ情報を追加して更新します。IIS 3.0 はマルチホストをサポートしないので、各 Web サーバ インスタンスのスクリプト ディレクトリは 1 つだけです。
regset -i c:¥inetpub¥scripts¥ -quiet
metaset
ユーティリティは、メタベースに JRun コネクタ情報を追加して更新します。
metaset -i /1 c:¥virt2¥inetpub¥scripts -quiet
-i
オプションは、仮想ホスト番号 n
に新しいコネクタを追加します。この場合、n
は 1 として処理されます。仮想ホストには明確な番号が付けられませんが、Microsoft 管理コンソールで順序を確認してホストを識別することは可能です。n
を 0 に設定すると、JRun はコネクタをグローバル フィルタとしてインストールします。このフィルタは、IIS の該当インスタンス内のすべての仮想ホストに適用されます。
マルチホストで、仮想サーバが同じ scripts ディレクトリを共有していない場合は、jrun.dll と jrun.ini を必ず正しいディレクトリに入れ、グローバル フィルタを削除してください。
metaset
および regset
ユーティリティには、JRun コネクタを削除するオプションがあります。JRun またはお客様の製品をユーザのマシンからアンインストールするときは、このユーティリティを呼び出します。IIS からコネクタをアンインストールすると、デバッグを簡単に行うことができます。このセクションでは、metaset
および regset
を使用して IIS から JRun コネクタを削除する方法について説明します。
metaset
および regset
ユーティリティでは、jrun.dll ファイルや jrun.ini ファイルを実際に削除するのではなく、これらのファイルの登録を Web サーバから削除します。アンインストールを完全に行うには、これらのファイルを手作業で削除する必要があります。
メモ JRun コネクタをアンインストールするときは、 |
regset
ユーティリティは、Windows レジストリ内の設定を削除します。
たとえば、コネクタを削除するには、次のコマンドを実行します。
regset -d c:¥inetpub¥scripts -quiet
metaset
ユーティリティは、IIS メタベース内の設定を削除します。
たとえば仮想ホスト番号 1 からコネクタを削除するには、次のコマンドを実行します。
metaset -d /1 c:¥virt2¥inetpub¥scripts -quiet
グローバル コネクタを削除するには、次のコマンドを実行します。
metaset -d /0 c:¥inetpub¥scripts
-d
オプションは、仮想ホスト番号 n
のコネクタを削除します。仮想ホストには明確な番号が付けられませんが、Microsoft 管理コンソールで順序を確認してホストを識別することは可能です。n
を 0 に設定すると、グローバル フィルタ (設定されている場合) が削除されます。