クラウド型BIツール GoodData 導入事例 : 看板監視サービス
~ センサーデータの可視化 ~

GoodData導入活用事例 
ザイマックス様

自然災害や老朽化による看板の変化をBIツールで可視化!
IoTセンサーを活用した「看板監視サービス」の提供を開始 2020年9月14日の取材に基づく

ザイマックス

1990年創業。全国約1,000棟のオフィスビル・商業施設・物流施設、また約15,000店舗の施設マネジメントを担う。現在は国内最大級の独立系不動産会社として、企業経営を不動産側面からサポートし、 30年以上蓄積してきた経験、ノウハウ、高い専門性を活かした新たなビジネスモデルの創造に挑戦し続けている。

株式会社ザイマックス
情報システム部
横山 和央 様 (写真左)

株式会社ザイマックス不動産総合研究所
石原 健司 様 (写真右)

課  題

課題

2015年、他社の管理物件にて発生した看板落下事故のニュースをきっかけに、看板監視サービスの構想が持ち上がる。
センサーデータの可視化にあたり、「お客様の負担になることなく、いかに計測結果を共有するか」が課題だった。

導  入

センサーの開発、データ転送の基盤が整い、最後の可視化フェーズに。
12時間ごとに送信されるセンサーデータをAWSに蓄積し、GoodDataと連携。データアップロードからレポート共有までの自動化を実現。

効果

効  果

当初想定していたIoTに成功。
さらに、アラート機能を活用することで、早期の異常検知が可能になり、お客様に対してご案内出来る体制が整った。

導入の経緯

ザイマックスの「看板監視サービス」の構想が生まれたのは2015年。国内のある飲食店における看板落下事故のニュースがきっかけだった。自社の管理物件ではなかったものの、同社の本業はビル管理。自社の管理物件の一部についても緊急に看板の点検を実施することとなった。
看板の管理といっても、建物下から目視での点検が一般的。実際に高所作業車等を使用しての触診点検を行うケースは少ない。「看板の点検について何か対策が出来ないか?」「目視ではなく、センサーを使って看板を見張っておく事が出来ないか?」社内から沸き上がったその声から、センサーを使った看板監視の研究が始まった。

課  題新しいビジネスの創造 × 自社にあったツール選定

当初はまだ回線を使ってセンサーデータを送信する方式には至っておらず、まずは「センサーにデータをためる」「月に1回現地に行ってビルの担当者がBluetoothを使ってデータを吸い上げる」「パソコンに取り込む」「グラフや表を作成する」そこからのスタート。

センサーの開発を株式会社オプテックスに依頼することが決まり、その後IoTが騒がれるようになると、京セラコミュニケーションシステム株式会社のIoTネットワーク Sigfoxを利用して、1日に2回自動でクラウド上にデータをアップロードするところまでたどり着いた。データ通信、データ収集の土台が整い、次の段階として目を付けたのが可視化プラットフォームだった。

ザイマックス社内のシステム管理・運用を管轄し、看板監視サービスのプロジェクトの推進を担っていた横山氏は、ツールの情報収集をするにあたって、BIツールの比較サイトから検討を開始したという。「検討する中で悩んだ点はありましたか?」との質問に次のように答えてくれた。

「お客様用の画面を用意するにあたって一番懸念していたのはライセンスと費用の面です。ユーザー数課金のBIツールはいくつもあったのですが、そうなるとお客様の数が増えるにつれてどんどんコストが膨らんでしまいます。

もともとの既存サービスの効率が良くなり、さらに質もアップする、そして費用もほぼ変わらないということであればまだいいのですが、完全に新しいサービスの開始ということで、単純にこれまでより費用が上乗せになってしまうのはいただけない。ユーザー数課金のツールではなかなか進めづらいところがありました。」

導  入ユーザー数無制限・サンプルのデモ画面が決め手に

BI比較サイトで行き着いたのが、ユーザー数無制限、データ行数課金(※1)で使えるサムライズのGoodDataだった。

「もちろん、お客様が増ればデータ数も増えてはいくんですが、『GoodDataなら必要な部分だけを切り出せば自分たちで必要なデータ数を制限することも可能』という言葉に、これだったら自分たちがやりたいことをそれに見合ったコストで始めることが出来るんじゃないか?と興味を持つようになりました。センサーデータを貯めているAWSとの接続も、検証の結果問題ないということで、ここも要件と合致したポイントの1つです。

その後、何度かやり取りを重ねる中で、『モック作成トライアル』も試させてもらいました。サンプルデータを渡して、自社向けにデモダッシュボードを作ってもらったのですが、そこでほとんど完成形に近いイメージを作ってもらうことが出来たのも非常にありがたかったです。他のところにはあまりないトライアル方式で、実際の運用のイメージがしやすかったのはもちろん、社内への説明もしやすく、導入するための社内承認もスムーズに進めることできました。」

※1 現在はデータ容量課金へと変更

効  果独自の分析アルゴリズムに基づく危機管理でお客様の安心感がUP

センサーデータの可視化プロジェクトが立ち上がった当初は社内利用がメインだったが、プロジェクトが進む中でお客様への情報開示も含めたサービス提供の構想が生まれた。

看板監視サービスでは、取得した看板の傾きデータを分析し、中長期的・突発的な変化量の大きさをそれぞれにスコア化している。京都大学加藤直樹名誉教授との共同研究でその分析アルゴリズムを開発したのが石原氏だ。現在はGoodDataのアラート機能を活用することで、急激なスコア悪化にも迅速な対応が可能になっている。
「安心感というのは目に見えないものですが、サービスを開始するようになって看板の傾きデータが見えるようになり、センサーがちゃんと動いていることが確認できるようになりました。BIツールを通して、目に見える形でお客様に安心を提供できるようになったのは大きいです。
日本は地震や台風も多いですし、『この前はどうだった?』や『こういう数字も見られるようにならない?』と気にしてくださる方も増えてきています。そういった際は『ああ、やっぱり看板監視サービスがあってよかったな』と嬉しくなりますね。今となっては、常に傾きデータを見られる状態を作っておくことは必須だと感じています。

現在のところはお客様先で何か事故が発生したり、事故が未然に防げたりといったことはまだ起きてませんが、今年の9月に台風が九州へ上陸した際はスコアが最大値まで上がっている箇所もありました。点検や修理、撤去が必要かどうかを判断をする上でも非常に役立っています。」

運用支援サービス『安心チケット』のご利用について

「よくある話ですけど、誰かがExcelのマクロを組んで資料を作成した後、それを引き継いだ人は大変じゃないですか。GoodDataについてはじめは自分たちで改修していくことも検討していたのですが、本務もあり集中する事が難しい状況でした。ただ、利用してみてから『やっぱり外部に委託していてよかった』と思うようになりました。異動や担当変更があっても『引き継がなくて済む状態』があるということも大事だな、と。

あとは、都度見積じゃないという点にも依頼のしやすさを感じています。もちろん土台から大きく変えるような改修作業であれば、社内でもしっかり準備して計画的に予算をとって実施する必要がありますが、ちょっとした修正や変更というのは日々出てくるものです。そこを一回一回見積をとって発注していくのはなかなか勝手が悪い。『安心チケット』(※2)の場合だと短納期で都度やりたいことが出てきても、チケット範囲内で出来るかを判断してもらえるので非常にありがたいです。」

※2 『安心チケット』とは?
各種調査やETLの改修、レポートやダッシュボード、マニュアル作成、トレーニングなどを、半日単位でサムライズの専任エンジニアに依頼出来るチケット制の運用支援サービス。ご購入は1日分~、発行後1年間有効。

今後『看板監視サービス』の中でさらに提供していきたいことはありますか?

「今は1つ1つのセンサーのデータを見るような作りになっていますが、当然複数の看板を設置されているお客様もいらっしゃいます。今後はそういったお客様の利便性も高められるように、同一の画面でそれぞれのセンサーの状況を横並びで確認できるような作りにもしていけたらと考えています。

今回の取材を通して、本業である不動産・建物の総合管理に加えて、「看板監視サービス」という付加価値をお客様にご提供している点に魅力を感じた。GoodDataを活用して数値データ可視化の頻度を上げ、危険予知としてお客様自身がアラート値を設定する計画など、さらに顧客価値の向上を目指して取り組んでいる。新しい事業モデルの創造によるリーディングカンパニーへの挑戦」を理念に掲げるザイマックス様。データによる科学的ビル経営を強みとする同社が次はどんな新しいビジネスを創り・育てていくのか、今後も目が離せない。

看板監視サービス

看板内部やポールにIoTセンサーを設置

  • 12時間ごとの
    自動データ送信
  • クラウドへ
    データを蓄積
  • 当社分析アルゴリズムにより
    異常度を分析・スコア化

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