IBM TechXchange Conference Japan 出展レポート

アプリケーション管理はここまで来た!
あらゆる相互依存関係を追跡できる可観測性とITリソースの自動最適化技術によって
パフォーマンスの管理がより精密に、よりカンタンに

2024年2月27日に、「WEBシステムのパフォーマンス障害事前検知/原因特定/対策検討を自動化」というセミナーを株式会社サムライズ主催、日本アイ・ビー・エム株式会社共催で開催しました。今回はその講演内容のポイントについてご紹介します。

Instanaのエンタープライズ可観測性に迫る
パフォーマンスの管理で得るリスク軽減と収益保護の鍵とは何か?

コンピュータの動きを捉える際に10秒や1分といった単位でのメトリック取得では、イベントの発生順や詳細が失われてしまうことがあります。そこで、Instanaが登場します。Instanaは従来のAPMとは一線を画し、驚異的な1秒ごとのメトリック取得により、より詳細なデータを提供します。その優位性を詳しく見ていきましょう。

Instanaの技術は、エンタープライズのニーズに応じて、データの取得と解析をリアルタイムで行うことが可能です。この技術は特に、急速に進化するデジタル環境において、絶えず変化するITインフラの監視を可能にします。Instanaの提供する1秒単位のデータ取得能力は、異常が生じた際に即座に警告を発し、問題解決に必要な正確な情報を提供します。

Instanaは三つの主要機能により支えられています。第一に「自動化されたフルスタックの可視化」では、システム全体の状態を一元的に把握し、新しいデプロイメントや変更を即座に検出し、対応することができます。第二に「コンテキストに沿った正確なデータ収集」では、すべてのシステム要素間の相互作用を自動的にマッピングし、それぞれの要素がどのように相互に影響しているかを明確に示します。そして第三に、「インテリジェンスに基づくアクションの実行」では、システムが自動的に異常を検知し、インシデントを生成して迅速に対応を行うことができます。

これらの機能により、Instanaはリアルタイムの異常検出、自動的な根本原因分析、相関アラートを提供し、これによりIT部門はシステムの安定性を保ちつつ、運用コストを削減し、全体の効率を向上させることが可能です。さらに、予測分析を利用して将来的な問題を事前に識別し、それに対応することで、よりプロアクティブな運用管理が実現します。

自動化された継続的ディスカバリーと直感的なユーザー・インターフェイスが、
アプリケーション管理やクラウド運用管理の煩雑さをここまで低減する!

次に、実際の画面を見ながらInstanaの様子をご覧いただきたいと思います。こちらがInstanaの画面です。

アプリケーション管理とクラウド運用管理は、多数のサービスと技術要素が絡み合うため、しばしば複雑で時間を要するプロセスになります。管理者は数多くのログを確認し、障害が発生した場合の迅速なトラブルシューティングを必要としますが、従来のツールではこれが煩雑な作業になりがちです。特に、大規模なシステムでは、データの洪水に対応するための効率的なツールが不可欠です。

ここでInstanaの自動化された継続的ディスカバリーと直感的なユーザー・インターフェイスが重要な役割を果たします。Instanaは、デプロイされたすべてのアプリケーションとその依存関係を自動的に検出し、これらの情報を直感的なインターフェイスで簡単にアクセスできるように表示します。これにより、システムの現状をリアルタイムで一目で把握でき、異常が発生した場合には迅速に原因を特定し、適切な対応をとることができます。

さらに、Instanaのインターフェイスは、時間軸に沿って過去のデータを容易に参照できる機能を備えています。例えば、過去1時間や1分間のデータを選択して表示させることができ、システムのパフォーマンス変動を具体的に追跡することが可能です。また、エラーメッセージやログ情報も集約されており、サーバーに直接アクセスすることなく必要な情報を得ることができます。

Instanaの自動化機能は、インシデント発生時に関連するイベントを自動的に検出し、これを「インシデント」としてまとめ上げることで、問題の迅速な解析と対応が可能になります。

このように、Instanaはアプリケーションの全体像を常に最新の状態で把握し、予期せぬ問題に迅速に対応できる特長を備えていることを解説しました。次からは、アプリケーション管理の課題に立ち返ったうえで、課題を克服し、コスト節約に繋げる具体的な方法について説明します。

アプリケーション性能劣化抑止とオーバースペックな余剰環境回避を両立させなければならない
アプリケーション管理上の課題とは?

アプリケーション管理における大きな課題は、『アプリケーション性能劣化抑止』と『オーバースペックな余剰環境回避』の両立です。現代のITインフラストラクチャの複雑さは、これらの課題をさらに困難なものにしています。そんな時に役立つのが、継続的な最適化と賢明なリソース管理を担うTurbonomicです。

アプリケーション性能劣化は、システムの拡張やアップデートが適切に管理されない場合に発生することが多いです。たとえば、予期せぬトラフィックの増加や、データベースへの過剰なクエリがシステムに負荷をかけ、パフォーマンスが低下します。また、古いコードの積み重ねや非効率なアルゴリズムも、システム効率の低下を招く主な原因です。

このような性能劣化を未然に防ぐためには、定期的なコードのレビューと最適化が必要です。しかし、人的リソースだけでは限界があり、特に複雑な環境では自動化されたツールのサポートが不可欠です。この点でTurbonomicは、リアルタイムでのパフォーマンス監視と自動調整機能を提供し、性能劣化のリスクを効果的に管理します。

オーバースペック環境は、リソースが過剰に配分され、コスト効率が損なわれる問題を生じさせます。多くの企業では、安全を担保するため余剰リソースを確保しますが、これが経済的な負担となることも少なくありません。予算超過や無駄な投資は、特に経営層からの厳しい評価の対象となります。

Turbonomicを利用することで、リソースの使用状況と需要を精密に分析し、必要なときにのみリソースを割り当てることができます。この「継続的最適化」アプローチは、過剰なリソース配分を避け、コスト効率の良い運用を実現します。

現代の企業では、AWSやGCPなど、複数のクラウドサービスを利用することが一般的です。Turbonomicは、これらのマルチクラウド環境においても、各クラウドサービスのリソースを最適に配分し、統一された運用管理を実現します。これにより、クラウド間でのリソースのバランスを取りながら、全体としてのパフォーマンスとコスト効率を最適化できます。

「アプリケーション性能劣化抑止」と「オーバースペックな余剰環境回避」は、ITリソース管理における持続可能な戦略を実施するために解決すべき重要な課題です。Turbonomicのようなツールを活用することで、これらの課題に効果的に対応し、組織のIT運用を効率化し、最終的にはビジネス価値を向上させることができます。

自動化を制御できる仕組みを作りパフォーマンスの管理を自動化
ビジネス成果を出すクラウド運用管理をAI駆動型自動最適化ツールで実現する

アプリケーション管理上の課題の解決策にCO(Continuous Optimization)が唱える「継続した最適化」があります。「継続した最適化」を実現するためには、自動最適化ツールの活用が不可欠です。IBMのTurbonomicは、COの実現を目指す一例であり、アプリケーションの管理を自動化し、常に最適な状態を維持します。その利点と具体的な意味についてご説明いたします。

現代のビジネス環境では、デジタルトランスフォーメーションの加速により、アプリケーションとインフラストラクチャの両方で柔軟かつ迅速な対応が求められています。ここで重要な役割を果たすのがAI駆動型自動最適化ツールです。このツールは、複雑なデータセンターやクラウド環境において、リソースの利用効率を最大化し、コストを最小限に抑えるために必要不可欠です。

Turbonomicを例に挙げると、このツールはリアルタイムでアプリケーションのパフォーマンスを監視し、必要に応じてリソースを自動的に調整します。このプロセスは、パフォーマンスの維持と効率的なリソース配分を保証することで、IT運用の複雑さを軽減し、エンジニアの手作業による調整の必要性を減少させます。さらに、AIの能力を利用して未来のトレンドや可能性のある問題を予測し、事前に対策を講じることが可能です。

このような自動化ツールの導入により、IT部門は運用の自動化と最適化を進めることができ、全体のビジネス効率が向上します。また、継続的な監視と最適化は、システムダウンタイムのリスクを低減し、エンドユーザーにとってより優れたサービス品質を保証するためにも不可欠です。

最後に、さらに進んだ自動化ソリューションとして、サムライズが提供するAutomaticAPMを紹介します。AutomaticAPMは、InstanaとTurbonomicの技術を融合し、サムライズの専門知識を加えることで、システムの安定運用を自動化します。このソリューションは、システムのリアルタイムな運用状況を可視化し、必要なアプリケーションリソースを自動的に調整することで、運用効率の大幅な向上とコスト削減を実現します。定期的な診断と再チューニングにより、持続的なサービス改善が可能となり、組織全体の運用負担を軽減し、最終的には顧客満足度の向上を支援します。

なお、AutomaticAPMは、2024年1月16日からサービス提供を開始しております。もしAutomaticAPMの導入に興味がございましたら、ぜひ株式会社サムライズまでお問い合わせください。当社では、お客様のシステムに最適なソリューションをご提案し、持続可能なIT運用の実現をサポートいたします。ビジネスの成果を最大化し、運用効率を高めたい企業様は、この機会にぜひAutomaticAPMの導入をご検討ください。

イベント概要

イベント名

WEBシステムのパフォーマンス障害、事前検知/原因特定/対策検討を自動化 〜クラウド、コンテナ、アプリなどからの大量の通知、「どれを見て何をすればいいの?」を解決

日時

2024年02月27日(火)

主催

株式会社サムライズ

共催

日本アイ・ビー・エム株式会社

協力

株式会社オープンソース活用研究所、マジセミ株式会社

プログラム

13:45~14:00 受付
14:00~14:05 オープニング(マジセミ)
14:05~14:45 
WEBシステムのパフォーマンス障害、事前検知/原因特定/対策検討を自動化〜
クラウド、コンテナ、アプリなどからの大量の通知、「どれを見て何をすればいいの?」を解決~
14:45~15:00 質疑応答