ColdFusion Summit 2018 イベント報告

ColdFusion Summit 2018はHard Rockホテルで10月1日〜3日まで開催されました。

また、3日〜4日にLearning Summitも開催されています。

 

今年は、ColdFusion 2018のリリースがあり注目度が高いイベントとなっています。 ColdFusion2018の詳細は後半で紹介しますが、ColdFusionだけでなく他の言語のRESTも管理できるAPIマネージャや以前に比べて様々な情報や解析が可能になったパフォーマンスモニタ、エンジン自体の速度アップ等、メジャーアップデートにふさわしい強化がおこなわれています。


まずは、こちらがイベントのメイン会場です。 製品カラーの青をベースとした花からCfマークが浮き出てくるデザインになっています。 ColdFusionが花開いているようなイメージなのかなと思います。

続々と人が集まり開始前には満席状態になりました。
皆さん準備万端です。

いよいよGeneral Sessionが始まります。
まずは簡単な挨拶から

次にPPBU(ColdFusion、Connect、Captivate等)のトップであるTridibさんの司会で進行していきます。

今回はハードロックホテルにちなんでレコードを使用したプレゼンテーションとなっていました。
また、参加者は以下の通りです。

 

参加者:450人以上
参加企業:300社以上
プリカンファレンス参加者180人
管理者:47%
開発者:53%

 

プレゼンテーションの前半ではColdFusionの開発チームが、これまでの23年間、何に最も力を注いできたか、それに関して3つに分けて調査結果を踏まえつつ紹介しています。

ColdFusion 開発チームによる ColdFusion の開発方針

1つ目はパフォーマンスとスケールについて。

まずスピードに関してですが、ColdFusionチームは何年もランタイムパフォーマンスの向上に熱を入れて開発し続けてきました。その結果ColdFusion 2016はColdFusion 11と比較して30%の高速化を実現することに成功。
また、ColdFusion 2016では新たにAPIマネージャを追加。業界内では後発であるものの、1日何十億のAPIコールに対しても30ミリ秒未満のレイテンシという、他の製品に全く引けを取らない性能、スケーラビリティを有していることをアピールしています。

 

2つ目はセキュリティです。

毎年数多くの脆弱性の報告があがっていますが、ColdFusionが他のプラットホームと比較して2014-2017年の間、最も脆弱性の報告が少なかった言語であることが第三者機関による調査でも示されています。くわえて、他の言語では毎年ゼロデイ脆弱性が出ていますが、ColdFusionは2012年以降出ていません。

最後に生産性です。
「他のプラットホームにスイッチしたけどやっぱりColdFusionに戻ってきちゃいました」というのはよく聞く話。ある企業のユーザー様からは「NETやその他のWeb対応ソリューションを使用して競合他社が2年半から3年以上かけて行うことが、ColdFusionでは8ヶ月で達成できる」というお言葉をいただきました。これもColdFusionの開発スピードの速さや使い易さ故ですね。

 

Tridibさんは、これらの3つの価値が単なるColdFusion開発チームの独り相撲ではなく、ユーザーへのヒアリングに次ぐヒアリングの上に成り立っていることを繰り返し述べています。

 

ColdFusion 開発チームによる ColdFusion の開発方針

この画像は、2013〜2018年にかけての情報ですが需要は、右肩上がりに増えています。

 

今年はColdFusion2018がリリースされましたが、ColdFusion2018の開発にあたってユーザーに意見を求めた結果、以下のことがわかりました。

 

・パフォーマンス:82%のユーザーがパフォーマンスに対する関心を寄せています
・セキュリティ:72%のユーザーが1か月以内にセキュリティアップデートの適用を行っています

 

また、100%の開発者が早く仕事を終えて帰ることを希望しており、CFMLの改善を期待していました。

 

次はColdFusion2018のメインの一つであるパフォーマンス改善から

ColdFusion11からColdFusion2018は45%、ColdFusion2016からでも30%の速度アップが行われています。コードの改修無しに単純にアップグレードするだけでここまでの速度アップするのは比率的にはとても大きい改善となっています。また、ColdFusionと連携できるサードパーティ製品を使用している場合にも高速化が実証済みで、こちらについては下記のホワイトペーパーにまとめてあります。
https://www.adobe.com/content/dam/acom/en/products/coldfusion/pdfs/CF2018_Performance.pdf

 

次はRESTサービスの改善についてです。

 

RESTサービスの開発はコード変更するたびにColdFusionのリフレッシュが必要になるなど扱いにくい状態でした。ColdFusion2018では改善されおり、さらにデバックもしやすくなっています。

 

他にもこんなにたくさんあるよとまとめられていました。下の写真はColdFusion2018で新たに追加されたものや、機能の改善があったものをまとめたスライドです。あるようでなかった機能が追加されているので、便利さが増しています。

 

たとえばColdFusionでこれまで大きなネックとなっていたデータ型の保存とnull。
ColdFusion2018ではJSONを介してJavaScriptにデータが返された際、文字列は文字列、ブール値はブール値として保持されるようになりました。nullがサポートされたことによりJavaScriptやデータベースでnullとして扱っているものはColdFusionでもnullとして処理するようになり、動作の違いを心配する必要がなくなっています。

即戦力の育成に優れる ColdFusion

パフォーマンス、セキュリティ、生産性あらゆる面において日進月歩を遂げているColdFusionですが、開発者の早期育成にも非常に優れた言語となっています。開発者の育成については興味深い調査結果を報告がされています。

 

ColdFusionを利用している40%の企業では、ColdFusion未経験の開発者を新たにColdFusionが使える開発者として雇用しているようです。そしてその新しい開発者のうちの70%はなんと研修期間3か月未満!
下のグラフは新しい開発者を雇うにあたって、「現時点で使える言語は何ですか?」という質問に対するアンケート結果です。もともと.NETやJava、PHP、その他の言語を使える人も多いですが、24%くらいの人は何の言語も未経験の状態で雇用されています。ColdFusionがいかに簡単な言語で即戦力の育成に優れているか、この調査がよく示してくれています。



(General Session 資料より)

ColdFusion の今後について

1995年に世に出され、今年で23年を迎えたColdFusionですが時代に合わせて「挑戦」し続けてもいます。
様々なDevopsツールとのシームレスな連携、クラウドへの対応、データリポジトリとの連携によるデータのシームレスな引き出し、などなど。

 

そしてColdFusionと長いお付き合いのお客様の中には10年以上前に構築したレガシーアプリケーションを使用しているユーザーもいることでしょう。そういったお客様に対して、いかに大幅なプログラムの書き直しという巨大なコストを省き、既存のものを時代の最先端を行くアプリケーションへと変容させることができるか、といった大きな課題にも挑戦し続けています。

 

最後にロードマップです。
既に2022年までロードマップがひかれており、2年ごとに新バージョンをリリースすることが明記されています。また、5年のコアサポートが含まれていることが、個人的にはうれしいポイントです。

株式会社サムライズ