『Adobe ColdFusion 2023』 の特徴


ビジネスロジックを凝縮しWeb開発の簡素化と迅速な実行を推進


『Adobe ColdFusion 2023リリース(以下、ColdFusion 2023)』は、ColdFusionの特徴である高い開発生産性や下位互換性を維持しつつ、オンラインやクラウドネイティブなどの最新の機能との連携により、より高いスケーラビリティと柔軟性を提供します。DevOpsやコンテナ化を支援するCI/CDパイプラインに簡単に統合できるさまざまなツールで生産性を最大化し、オンプレミス、クラウド、ハイブリッドのいずれの場合でも、開発、テスト、本番環境全体にアプリケーションを一貫して、確実に、迅速に展開します。

 

ColdFusionを利用することで、全社規模のエンタープライズシステムから組織向けの業務システム・情報システムに至るまで、さまざまなWebアプリケーションを開発しています。企業環境における各種テクノロジー・サービスとの連携や、Web開発を簡素化するプラットフォームを使用し、複雑なビジネスロジックを少ないコード量で実現します。

 

また、ColdFusionの開発言語としてHTMLに馴染みのある開発者との親和性が高い「タグ形式」と、JavaScriptや他のWeb開発言語などの経験者に馴染みのある「スクリプト形式」のどちらでも共通した機能を開発することができます。ビジネスロジックが凝縮されたタグや関数を使い、PDFドキュメントの作成と操作、メール処理やファイル操作、CSV、JSONやXMLのパースや変換、Excelスプレッドシートの書き出しや読み込みなどを少ないコード量で素早く開発することができます。

 

さらに、それらを機能単位に分割し管理する「パッケージマネージャー」を採用することで、利用者は都度、必要な機能のみを追加・削除することができ、リソースの消費の増大を抑える効果を発揮しています。それら内部機能の変更や最適化などが行われているにも関わらず、プログラム部の修正の発生が非常に少なく下位互換性にも優れており、現在活用している資産をそのままに、最新の環境でクラウドサービスなど主要となる機能なども活用できるなど、優れたモダナイゼーションを発揮しています

 


クラウドサービスとの連携をさらに拡充


前バージョン(ColdFusion 2021 リリース)での「Amazon Web Services(AWS)」や「Microsoft Azure」のクラウドサービスへの接続に加え、ColdFusion 2023では新たに「Google Cloud Platform(GCP)」との連携が可能になりました。各クラウドサービスで提供されるストレージやデータベース、NoSQL、キャッシュ、メッセージなどの利用をColdFusionから行うことができます。
また、サービスによって異なる資格情報の管理をColdFusionで一元化し、複数のクラウド、および複数のサービスに対して、管理されたクラウド資格情報を利用したり、同様のサービスを異なるクラウドでも直観的に使用することができたりすることができます。
※各クラウドサービスの使用料金、通信料金などは別途必要です

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クラウドストレージサービス

AWS S3とAzure Blob、GCP Storageを使用して、高速データアクセスのためのrawストレージを活用することができます。クラウドストレージサービスを使用することで、拡張性および伸縮性に富み、そして安価な収納スペースを利用し、アプリケーション上でのデータ管理を成長させます。

NoSQL

AWS DynamoDBおよびAzure Cosmos DB for MongoDB、GCP Firestoreが提供するスケールアップアーキテクチャを最適化して、NoSQLデータベースへの組み込みの生産的なインターフェイスで大量のデータを処理します。非構造化、半構造化、または構造化データを保存し、さまざまな規模でハイパフォーマンスを提供するスキーマとフィールドを簡単に活用することができます。

メッセージングサービス

ColdFusionから、AWS SNS/SQS 、Azure Service Bus 、GCP Pub/Subを使用したメッセージングサービスに簡単にアクセスでき、アプリケーション間で任意のデータを送信や、メッセージの配信の監視などが可能です。用意された関数を使用することで、ミドルウェアやクラウド間の違いなどといった複雑さを解消します。

リレーショナルデータベースサービス

ColdFusionの機能を活用してAmazon RDSおよびAzure データベースサービス、Cloud SQL インスタンスとシームレスに統合することにより、データベースの可用性を向上させます。これにより、クラウド内のリレーショナルデータベースを低コストで、短時間でセットアップ、運用、およびスケーリングすることが可能となります。

メールサービス

ColdFusionとAmazon Simple Email Service(SES)を利用して、通知、トランザクションおよびマーケティングのメールや、顧客へのコンテンツの送信を安全かつ簡単に行うことができ、費用対効果の高いサービスを利用して、任意のColdFusionアプリケーションからメールサービスを活用することができます。


さらなるHTML⇒PDF変換機能の強化


ColdFusionで多くのユーザーに利用されている 「HTML⇒PDFの変換機能」がColdFusion 2023で大幅に強化されました。新しい「PDF変換Engine 2.0」は、あらゆるHTMLをPDFに変換し、従来の変換エンジンに比べてHTML5やCSSサポートが大幅に強化され、JavaScriptにも対応しています。ColdFusionによる動的な処理が加わって、配布用のドキュメントや、レポート、請求書、データシート、お客様にメールで送信する各種書類などを作成することができます
また、PDF/A-1a またはPDF/A-3a 準拠ファイル、およびその他のPDF/A サブフォーマットの作成もサポートしています。


GraphQLクライアントの実装


API からデータにアクセスできるようにするクエリ言語として定義されているGraphQL。ColdFusion 2023ではGraphQLクライアントが組み込まれました。これにより、ColdFusionからGraphQL を使用してGraphQLサーバーへ必要なデータを正確にリクエストしたり、データ転送を最適化したりすることが可能です。ソーシャルメディア、メッセージング、SMS ベースのプログラムなど、非常に大規模で非常に冗長なアプリケーションを処理する場合に役立ちます。


その他の機能強化ポイント


中央管理型サーバー

ColdFusion 2023 Enterprise Editionに、Webベースで提供されているColdFusionの管理コンソールであるColdFusion Administratorの設定情報や履歴を管理・追跡する新しい「中央管理型サーバー」が追加されました。この機能を使用すると、ColdFusion Administratorで操作した設定をバージョニングし、あとから設定の履歴を追跡できるとともに、バージョン履歴をもとに以前の設定にロールバックすることもできるようになります。さらに同一ネットワーク内で複数のColdFusionサーバーからなるクラスタの設定を一元化して管理することができ、一つのインスタンスの変更を他のインスタンスに反映させることができるようになるなど、大規模システムでの運用性がさらに向上しています。

言語強化

ColdFusion2023では、複数のエンティティを効率的に検証できるようにするシンプルで柔軟な設計であるJWT(JSON Web Tokens)が統合され、エンティティ間の認証および承認情報を通信します。また、データのシリアル化やデシリアルを行うための関数も実装され、プロセス間通信などでデータをシリアル化・デシリアル化し、特定の言語に依存しない方法でデータをやり取りすることができます。

新しい VSCodeベースのColdFusion 専用エディタ「ColdFusion Builder」

従来の「ColdFusion Builder」は、EclipseをベースとしたColdFusion専用の有償の開発エディタとして提供されていましたが、大幅に刷新され、新たな「ColdFusion Builder」として生まれ変わりました。新ColdFusion Builderは、Microsoft社の「Visual Studio Code」の「拡張機能」として提供される『Adobe ColdFusion Builder』プラグインを追加することで、ColdFusionでプログラミングをする上でコードアシストやデバッグ、プロジェクト管理など、ColdFusionの開発を促進するとして無償で提供されています。従来のColdFusion Builderと同等の機能が新しいColdFusion Builderでも使用可能であり、ColdFusion 2023で追加された関数などへの対応も行われています。


ColdFusion の提供価格・エディションについて


従来のバージョンと同様、ColdFusion 2023は、小~中規模のアクセス規模のWebアプリケーションの運用に適している「Standard Edition」と、大規模なエンタープライズレベルのWebアプリケーションを運用するためのスケーラビリティと可用性をもち、OracleやDB2など企業向けの大規模データベースへの接続をサポートする「Enterprise Edition」の2種類の有償エディションで提供されます(他に、機能の評価や開発を目的に、無償で利用可能な体験版・デベロッパー版もあります)。それぞれのエディションごとに、1ライセンスあたり使用可能なコア数などに違いがあります。詳しくは、弊社営業担当までお問い合わせください。