Allaire ビジュアル ツールによるスクリプトの作成と実行

Allaire ビジュアル ツール (HomeSite、ColdFusion Studio、および JRun Studio) では、開発者が外部アプリケーションからプログラムの機能を操作できるように、オブジェクト モデルが公開されています。また、パワー ユーザであれば、JavaScript (JScript) または VBScript を使ってスクリプトを作成し、ビジュアル ツール環境内からこれらのスクリプトを実行してタスクを自動化することができます。

内部スクリプト作成機能を動作させるには、Microsoft の ActiveScripting エンジン (Windows Script) バージョン 3. 1 以上が必要です。ActiveScripting エンジンは、Allaire ビジュアル ツールによってインストールされるわけではありません。Microsoft Internet Explorer 4.0 以上がシステムにインストールされていれば、適切な ActiveScripting エンジンがインストールされています。インストールされていない場合は、http://www.microsoft.com/msdownload/vbscript/scripting.asp からダウンロードする必要があります。

スクリプトの記述

ビジュアル ツール内から実行できるスクリプトには、Main ルーチンが含まれている必要があります。JScript 内で関数 Main を、VBScript 内で Sub Main を作成します。このルーチンがないと、スクリプトは失敗します。

プログラムは、スクリプト ファイルの拡張子を基に、使用する言語エンジンを識別します。ファイル拡張子が .bas.vb、または .vbs の場合は、スクリプトの実行に VBScript エンジンを使います。それ以外の場合は、スクリプト ファイルには JavaScript ソースが含まれます。

ビジュアル ツール タスクを自動化するには、ビジュアル ツール オブジェクト モデルに関する知識が必要です。その主なオブジェクトは Application オブジェクトです。Application オブジェクトには 2 つの重要な子オブジェクトである ActiveDocument オブジェクトと DocumentCache オブジェクトが含まれています。これらのオブジェクトを使って、一般的なタスクのためのスクリプトを記述することができます。

さらに、Application オブジェクトには、ツールバーをダイナミックに作成できる多数のツールバー関連の関数が含まれています。

性能を最大に引き出すには、繰り返し Application オブジェクトを直接参照するのではなく、Application オブジェクトの変数を作成し、スクリプト全体についてその変数を使ってください。

次は、JavaScript を使った例です。

function Main() {          
          var app = Application; //Application オブジェクト変数を作成します。
          app.WindowState = 2; //ウィンドウを最大にします。

}

次は、VBScript を使った例です。

Sub Main          
    Dim app
    set app = Application 'Application オブジェクト変数を作成します。
    app.WindowState = 2 'ウィンドウを最大にします。
End Sub      
メモ Application オブジェクトは、ビジュアル ツール内から実行されるスクリプトからのみ使うことができます。外部プログラムから Application オブジェクトを使うには、使用する各言語で CreateObject("AllaireClientApp.TAllaireClientApp") を使ってください。

スクリプトの実行

スクリプトを記述すると、プログラム内からこのスクリプトを実行するためのカスタム ツールボタンを作成することができます。複数のスクリプトを記述する場合は、それらのスクリプトのツールバーを作成してください。

手順 カスタム スクリプトのツールバーを作成するには
  1. [オプション] > [カスタマイズ] を選択します。
  2. [ツールバー] タブの [ツールバーを追加] ボタンをクリックします。
  3. ツールバーの名前を入力し、[0K] をクリックします。
  4. [ツールバー] タブで、ツールバー リストのチェックボックスをクリックしてワークスペース内に新しいツールバーを表示します。
手順 カスタム ツールボタンを作成するには
  1. [ツールバー] タブで、[ツールバー] リストからカスタム スクリプト ツールバーを選択します。

    タブの上部にツールバーが表示されます。

  2. [カスタム ボタンを追加] をクリックします。
  3. [カスタム ツールボタン] ダイアログ ボックスで、[ActiveScript ファイルを実行] オプションを選択します。
  4. [スクリプト ファイル] ボックス内にパスとファイル名を入力します。
  5. [イメージのボタンをクリック] ボックス、[キャプションのボタンをクリック] ボックス、[ヒントのボタンをクリック] ボックスで項目を選択します。

    あるいは、[スクリプト ショートカット] タブでスクリプト ホット キーを作成し、[ツールバー] タブ上の [ツールボタンのヒントにキーボード ショートカットを表示する] ボックスをクリックすることもできます。

  6. [OK] をクリックします。

必要に応じて、ボタンを配列し直したり、区切り線を付けたりすることができます。

メモ カスタム スクリプトの実行中にスクリプト エンジンにエラーが発生すると、エディタ内にスクリプト ファイルが開き、エラーの行が強調表示されます。さらに、問題をデバッグするのに役立つ、エラーに関する情報がステータス バーに表示されます。

[カスタマイズ] ダイアログの [キーボード ショートカット] タブに、"現在のドキュメントを ActiveScript として実行" のショートカット (Shift + Cntrl + Q) があります。このコマンドを実行すると、現在のドキュメントを ActiveScripting エンジンに渡し、プログラムを強力なスクリプト デバッグ ツールに変えます。この場合、ツールボタンをベースとしたスクリプトの場合と同様に、スクリプト作成言語は、現在のドキュメントのファイル拡張子によって決まります。