サンプルの実行

ホスト名の設定

EJB エンジンは、クラス サーバの位置を把握しておく必要があります。そのために、host プロパティを設定します。JRun_rootdir/samples/sample2a に移動し、テキスト エディタを使用して deploy.properties ファイルを開きます。ここで、ejipt.
classServer.host
プロパティが現在 localhost に設定されていることに注意してください。この設定をホスト名またはホストの IP アドレスに変更します。サーバとクライアントをローカルで実行している場合は、このプロパティをマシン名に設定するか、localhost のままにしておくことができます。変更内容は必ず保存してください。このプロパティを指定しないと、既定では JRun はサーバが動作しているホストの名前を使用します。

ejipt.classServer.host プロパティで指定したホスト名または IP アドレスを使用して、すべてのクライアントがサーバにアクセスできる必要があることに注意してください。このことは、ファイアウォールやネットワーク間を経由する場合に特に重要です。

シェル (bash シェル) または DOS ウィンドウを開く

シェルの場合の手順

UNIX、Linux、または Windows (bash シェル使用時) では、コマンド プロンプト ウィンドウを開き、次のコマンドを入力します (opt/jrun は、UNIX および Linux 上の既定の JRun インストール ディレクトリです)。

> bash
bash$ export EJIPT_HOME=/opt/jrun
bash$ cd /opt/jrun/samples/sample2a

メモ

基本的に、この説明では bash (Bourne-Again Shell) を使用します。bash コマンドを 使用すると、make ファイルを実行するための bash シェルを作成できます。


常に、JRUN_HOME 環境変数を設定する必要があります。export コマンドで、環境変数 JRUN_HOME を JRun があるディレクトリ (この場合は /opt/jrun ディレクトリ) に設定します。

bash シェルで作業する場合は、区切り記号としてフォワード スラッシュ (/) を使用してください。必要に応じて別のシェルを使用することもできます。しかし、bash シェルは、make ファイルを 一語一句正確に実行する場合に必要です。

DOS ウィンドウの場合の手順

Windows では、DOS ウィンドウを使用して次のコマンドを入力できます。

set JRUN_HOME=c:\Program Files\Allaire\JRun
cd "c:\Program Files\Allaire\JRun\samples\sample2a"

常に、JRUN_HOME 環境変数を設定する必要があります。set コマンドで、環境変数 JRUN_HOME をJRun があるディレクトリ (この場合は c:\Program Files\Allaire\JRun ディレクトリ) に設定します。

Bean JAR ファイルの作成

これで Bean およびクライアントの JAR ファイルを作成できるようになりました。次のコマンドを入力します。

bash$ make jars 

make jars コマンドは、EJB ソース ファイルをコンパイルして、そのサンプルの EJB JAR ファイル (samplexx_ejb.jar) を作成し、それを JRun のルート ディレクトリ/servers/default/deploy ディレクトリにコピーします。さらに、このサンプルのクライアント JAR ファイル (samplexx_client.jar) を作成し、それを JRun のルート ディレクトリ/samples/samplexx ディレクトリにコピーします。ここで、xx はサンプル番号 (2 など) です。

Bean の展開

次のコマンドを入力して Bean を展開します。

bash$ make deploy

make deploy コマンドによって、Deploy ツールが実行されます。Deploy ツールは、make jars の手順で作成した EJB JAR ファイルを使用して、ホームおよびオブジェクトのインターフェイス実装を生成します。その結果作成される ejipt_objects.jar ファイルは、JRun のルート ディレクトリ/servers/default/deploy ディレクトリに設定されます。この手順ではスタブ クラスも作成され、その結果作成された ejipt_exports.jar ファイルは JRun のルート ディレクトリ/servers/default/deploy ディレクトリに再度設定されます。次に、Make deploy によって deploy ディレクトリに deploy.properties がコピーされ、runtime.properties ファイルを作成するためのベースとして使用されます。


メモ

make deploy コマンドは、サンプルのディレクトリから JRun のルート ディレクトリ/ servers/default/deploy ディレクトリに、サンプル固有の deploy.properties ファ イルをコピーします。これにより、個々のサンプルの整合性が保たれます。しかし、 EJB で作業を開始したら、JRun のルート ディレクトリ/servers/default/deploy ディ レクトリにある deploy.properties ファイルでのみ作業する必要があります。


Deploy ツールでは既定で、JDK 1.2 コンパイラを使用して生成されたクラスをコンパイルします。deploy.properties ファイルにさまざまな ejipt.javac.* プロパティを設定することによって、Jikes などの異なるコンパイラを使用できます。

EJB エンジンの起動

Bean が展開されたら、EJB エンジンをスタンドアロン モードで起動します。次のコマンドを入力します。

bash$ make standalone

処理が終了したら、EJB エンジンの コマンド プロンプトを確認します。

Server is running (type h[elp]<ENTER> for help on commands)
>

make standalone コマンドは、deploy ディレクトリ内の JAR ファイルを使用して EJB エンジンを起動します。deploy ディレクトリ内の JAR およびプロパティ ファイルは runtime ディレクトリにコピーされます。これで、EJB エンジンはいつでもクライアントの要求を受け入れられる状態になりました。


メモ

make standalone コマンドは、default JRun サーバのディレクトリおよびポート設 定を使用して EJB エンジンを起動します。default JRun サーバを停止してからmake standalone を発行してください。


クライアントの起動

クライアントを起動するには、別のコマンド プロンプト ウィンドウを開き、次のコマンドを入力します。JRun のルート ディレクトリは、実際の JRun インストール ディレクトリに置き換えてください。

C:\> bash
bash$ export JRUN_HOME=JRun のルート ディレクトリ
bash$ cd JRun のルート ディレクトリ/samples/sample2a
bash$ make run

クライアント ログイン ウィンドウが表示されます。説明および使用法については、各サンプルの説明を参照してください。クライアントを停止するには、ログイン ウィンドウの [閉じる] ボタンをクリックします。

EJB エンジンの停止

サンプルを終了する場合、「q」を入力して Enter キーを押し、EJB エンジンを停止します。次のような出力が表示されます。

>q
Server stopped