JRun Version 3.1 機能および移行ガイド
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JRun Version 3.1 への移行
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概要
Allaire Corp. は JRun version 3.0 のリリース後間もなく Sun Microsystems との戦略的提携を発表し、正式に Sun の Java 2 Enterprise Edition (J2EE) のライセンス供与を受けました。J2EE 規格に対する Allaire の責任の一環として、J2EE 互換性テスト群 (CTS) を使用して JRun の互換性を確認しています。 CTS は、JavaServer Pages (JSP)、サーブレット、および Enterprise JavaBeans (EJB) がほかの J2EE 対応アプリケーション サーバとの互換性を維持しながら実行されることを確認できる 5,000 以上の包括的なテスト セットです。バージョン 3.1 は JRun の最初の CTS 互換リリースとなります。
CTS スクリプトとテスト ハーネスを実行する際に多数の問題が発生したため、JRun、特に EJB エンジンへの変更が必要になりました。これらの変更は次のカテゴリに分類されます。
- 仕様への準拠 CTS では JSP、サーブレット、EJB、J2EE のすべての仕様に対して適合性をテストします。仕様に関連する非一貫性が明らかになり、修正されました。アプリケーションがこれらのいずれかの動作に依存している場合は、サーブレット、JSP、EJB、EJB クライアント コードのいずれかの変更が必要になることがあります。
- JNDI アーキテクチャ JRun のサーブレット エンジンおよび EJB エンジンは 2 つの別個の JNDI ネームスペースを保持していました。CTS テストに合格するために、これらのネームスペースが統合されました。
- EJB 公開記述子への移行 EJB バージョン 1.1 仕様書では、Bean の情報を公開ツールに伝えるために XML 公開記述子のサポートが必須になっています。JRun 3.0 の EJB エンジンでは公開記述子がサポートされていましたが、主にプロパティ ファイルに依存していました。そのため、特定の公開記述子機能がサポートされていませんでした。この問題が修正されました。
- 認証 JRun サーブレット エンジンと EJB エンジンでは認証情報を共有していませんでした。1 つの認証ソースを使用したシングル サインオンを実行できるようになりました。
- 新しい機能 CTS に合格するには、Secure Sockets Layer (SSL) だけでなく、ほかの必要な機能もサポートされている必要があります。
この章ではこの後、JRun 3.1 の移行、CTS 関連の変更、および必要なコード変更について説明します。
移行のメリット
J2EE 準拠アーキテクチャに移行するメリットについて説明します。次のメリットがあります。
- 移植性 特定の J2EE 準拠アプリケーション サーバ上で動作するアプリケーションは、ほとんど変更せずにほかの J2EE 準拠アプリケーション サーバ上でも動作するはずです。
- SSL HTTPS クライアントと JRun Web サーバ間で保護された通信が行われます。
- 今後のリリースへの準備 JRun の今後のリリースはすべてこのアーキテクチャに準拠します。この時点で移行することによって、アプリケーションを JRun の今後のリリースに簡単に移行できるようにします。
- より密接な統合 (シングル サインオン、結合されたデータ ソース) シングル サインオン機能により、1 セットのコードを使用して 1 つのユーザ レポジトリから認証を制御できます。データ ソースが結合されたため、EJB は JNDI を使用して JRun データ ソースにアクセスできます。
移行による影響
JRun には J2EE アプリケーション サーバのすべての機能が用意されていますが、多くのアプリケーションですべての機能を使用することはありません。たとえば、サーブレットと JSP だけを使用するアプリケーションや、スタンドアロン EJB エンジンだけを使用するアプリケーション (特に OEM アプリケーション) があります。JRun 3.1 への移行による影響は、次のように JRun の使用によって異なります。
- サーブレット、JSP、および EJB をすべて使用する場合 EJB エンジンを変更すると、公開記述子、プロパティ ファイル、EJB、EJB クライアント、認証メカニズムのすべての変更が必要になる場合があります。本書をよく読み、必要に応じて変更を適用し、運用アプリケーションを JRun バージョン 3.1 に移行する前にアプリケーションを十分にテストしてください。
- サーブレットと JSP のみ これに関しては最小限の変更が行われました。アプリケーションにはほとんど変更が不要なはずです。JRun バージョン 3.1 の機能リストを確認して、アップグレードによる影響を調べる必要があります。アップグレードする場合は、運用アプリケーションを JRun バージョン 3.1 に移行する前に必ずアプリケーションを十分にテストしてください。
- スタンドアロン EJB エンジンのみ 可能な場合、JRun 3.1 は下位互換性を維持します。JRun バージョン 3.1 の機能リストを確認して、アップグレードによる影響を調べる必要があります。アップグレードする場合は、運用アプリケーションを JRun バージョン 3.1 に移行する前に必ずアプリケーションを十分にテストしてください。
移行手順
既存のアプリケーションを J2EE 準拠 JRun 3.1 アプリケーションに移行する手順は次のとおりです。
- サーブレットと JSP を移行します。
- Bean のプロパティを公開記述子に移行します。
- deploy.properties を local.properties に移行します。
- deploy.properties データソースを JRun データソースに移行します。
- EJB クライアントを移行します。
- EJB 認証/承認をシングル サインオンに移行します。
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