専用ホスティング環境では、JRun サーバ、Web サーバ、データベース、およびその他のサーバは異なるマシン上に配置できます。JRun および Web サーバの複数のインスタンスを使用することにより、複数のプロセッサ間に負荷を分散できます。ロードバランスだけでなく、アラーム通知やフェイルオーバのサポートも利用できます。これらの機能は、JRun の Enterprise 版に含まれる Allaire ClusterCATS によって提供されます。
ClusterCATS は、JRun Enterprise 版に含まれているソフトウェアベースのロード バランスおよびクラスタリング ソリューションです。 ClusterCATS のロード バランスおよびクラスタリング ツールを使用するには、クラスタ内のすべてのサーバに ClusterCATS をインストールする必要があります。
このセクションでは、ClusterCATS で提供されるテクノロジを紹介します。詳細は、『Allaire ClusterCATS の使用』を参照してください。
ClusterCATS を使用すると、Web アプリケーションをサポートする適切なクラスタを簡単に作成、最適化、および保守できます。ClusterCATS は、Windows NT、Solaris、および Linux プラットフォームで動作し、Microsoft IIS、Netscape Enterprise Server、Apache などの主要な基幹業務 Web サーバと連動します。ClusterCATS は、リモートで管理できます。ClusterCATS には次の強力な機能が含まれています。
使用不能になったサーバを冗長サーバにフェイルオーバする機能は基幹業務アプリケーションに不可欠であり、これによってアプリケーションの信頼性の高い継続的な動作が保証されます。サーバのフェイルオーバは、ClusterCATS インストールの実行中に選択するオプションです。
ClusterCATS は、クラスタリングされたサーバに対する HTTP トラフィックの量を識別して管理することによって、顧客の Web アプリケーションが常に最適なパフォーマンスで動作するようにします。クラスタ内の各サーバで負荷しきい値を設定することによって、Web サイトの可用性およびパフォーマンスを制御し、管理できます。しきい値の設定は、多くの場合、Web サイトのアーキテクチャと一連の処理リソースをどこに割り当てるかによって決まります。
HTTP 転送時に、ClusterCATS は HTTP サーバのステートと JRun サーバの負荷に
基づいてクラスタのステートを評価します。この方式は、集中型および分散型のいずれの ClusterCATS 構成でも同じです。すべての Web サーバが 1 つのサイト上にある集中型 ClusterCATS クラスタの場合、ClusterCATS は、サーバがビジー状態か、または動作が制限されている場合に限り転送します。
クラスタ メンバごとに、2 つの負荷しきい値を設定できます。
負荷しきい値の設定方法の詳細は、『ClusterCATS の使用』を参照してください。
JRun プローブは、顧客のクラスタリングされたサーバ上で JRun サーバが正常に動作していることを確認する ClusterCATS の高可用性機能です。これらは、特定の JRun URL を定期的にテストし、返されるページに含まれるユーザ定義文字列と比較してその妥当性を確認します。
妥当性テストが成功すると、着信 HTTP 要求はプローブが存在するサーバに引き続き送信されます。ただし、テストが失敗した場合は (URL が見つからない、タイムアウトした、またはアクセスされたページ内のユーザ指定文字列が返されない場合)、ClusterCATS はサーバを制限し、クラスタ内の使用可能なほかのサーバに要求を転送します。ClusterCATS は制限されたサーバのテストを続行し、制限されたサーバはプローブが有効な値を返すとすぐに使用可能であるとみなされます。
JRun サーバがハングするか故障した場合、ClusterCATS は障害のあるサービスの復旧を試みます。JRun サービスが復旧すると、プローブは JRun サーバを再起動し、そのサーバへの HTTP トラフィックの送信を開始します。
JRun プローブの使用方法の詳細は、『Allaire ClusterCATS の使用』を参照してください。
ClusterCATS のアラーム通知機能を使うと、クラスタ内で発生する重要なイベントについて即座にフィードバックを得ることができます。イベントによりアラームが発生すると、ClusterCATS が 1 人または複数のユーザに電子メールで通知します。
次の表は、発生する可能性があるイベントと、イベントごとの通知スケジュールの
一覧です。
イベント タイプ |
通知のタイミング |
---|---|
ディスクの障害 |
即時 |
HTTP サーバの障害 |
即時 |
サーバ ビジー警告 |
24 時間ごと |
サーバへ未着信 |
即時 |
Web サーバ フェイルオーバ |
即時 |
JRun プローブの障害 |
即時 |
選択したイベントが発生すると、ClusterCATS によって、指定したユーザに電子メール メッセージが送信されます。アラーム通知の使用方法の詳細は、『Allaire ClusterCATS の使用』を参照してください。