JRun サンプル

samples JRun サーバには、さまざまなプログラミングテクニックを紹介するアプリケーションが多数含まれています。次の表で、JRun に同梱されているサンプルアプリケーションについて説明します。
アプリケーション
説明
Compass Travel
簡単な旅行代理店のオンライン旅行予約システムです。このアプリケーションは、JSP、サーブレット、および EJB プログラミングについて説明するもので、オープンディレクトリ構造体のエンタープライズアプリケーションです。
TravelNet
Compass Travel で旅行を販売するオンラインの旅行代理店です。このアプリケーションは、JSP や Web サービスのプログラミングについて説明するもので、オープンディレクトリ構造体のエンタープライズアプリケーションです。
World Music
音楽販売の e-コマースアプリケーションです。このアプリケーションには、管理モジュールも含まれています。World Music アプリケーションでは、JSP、サーブレット、および JavaBean プログラミングによる一般的なデザインパターンが多数説明されています。
Web サービス
JRun の Web サービスプログラミングに使用されるプログラ
ミングテクニックについて紹介しています。
プログラミング
テクニック
このマニュアルで説明されているプログラミングテクニックを
紹介しています。
Flash Gateway
Macromedia の Flash ムービーや Flash Gateway アダプタが含まれています。これは JRun と連動する Flash アプリケーションの作成方法を示します。
SmarTicket
Java BluePrints J2ME アプリケーション
PetStore
Java BluePrints J2EE アプリケーション

これらのサンプルは、JRun データソースを通してデータベースにアクセスします。データソース情報は、JRun 管理コンソール (JMC) から表示できます。これらのサンプルの詳細については、samples JRun サーバを起動し、ホームページ (デフォルトは http://localhost:8200) を開いてください。

トランザクションとは、実行に関して一連の保証を行う作業単位です。たとえば、トランザクションのスコープ内で実行するコードをすべて実行する、またはまったく実行しないという保証があります。トランザクションでは、システムのステートを一貫して保持する必要があります。トランザクションによって、遠隔地にいる複数のユーザーが同じデータを変更できます。

J2EE アーキテクチャはデフォルトの自動コミットを提供し、トランザクションのコミットとロールバックを処理します。自動コミットとは、各データベースの読み書きオペレーション後に、データを表示する他のアプリケーションが更新済みデータを参照することです。ただし、アプリケーションが互いに依存する 2 つのデータベースアクセスオペレーションを実行する場合は、JTA (Java Transaction API) を使用して、両方のオペレーションを含むトランザクション全体をどこで開始するか、ロールバックするか、またはコミットするかを区別します。

トランザクションを容易にするために、J2EE には JTA と JTS (Java Transaction Service) の 2 つの API があります。JTA とは、アプリケーションがトランザクションを管理する高レベルのトランザクションインターフェイスです。JTS とは、EJB がバックグラウンドで使用する低レベルのトランザクションインターフェイスセットです。クライアントのコードは JTS を直接操作しません。EJB の重要な利点として、EJB コンテナはトランザクションを管理するため、コードにトランザクションロジックを必要としないことが挙げられます。

JavaMail 1.2

J2EE プラットフォームでは、アプリケーションコンポーネントがインターネットメールを送信するときに使用する JavaMail サービスプロバイダに JavaMail API を含めます。J2EE は JavaMail を含めることで、注文確認および他のユーザーのフィードバックを送信する電子商取引 Web サイトなどのアプリケーションをサポートします。JavaMail API は、アプリケーションコンポーネントがメールを送信するときに使用するアプリケーションレベルのインターフェイスと、サービスプロバイダのインターフェイスの 2 つの部分から構成されます。

JavaBeans Activation Framework 1.0

JAF (JavaBeans Activation Framework) は、標準サービスを提供して任意のデータタイプを判断し、そのデータへのアクセスをカプセル化し、そのデータで可能なオペレーションを見つけ、適切な JavaBeans コンポーネントを作成してこれらのオペレーションを実行します。JavaMail では JAF を使用します。

Java API for XML 1.1

XML とは、XML API を使用する任意のプログラムまたはツールでデータを読み取ったり処理したりできるように、テキストベースのデータを表示したり記述したりする言語です。たとえば、J2EE アプリケーションは JAXP を使用してレポートを作成し、そのレポートを受け取る別の企業は、ニーズに合った方法でデータを処理できます。ある企業では、XML データをプログラムで表現し、Web 上に配置するために XML を HTML に変換します。また、他の企業では、処理用の J2EE アプリケーションに XML データを読み込みます。

J2EE Connector API 1.0

J2EE は、リソースアダプタと呼ばれるコネクタを介して、既存のエンタープライズ情報システム (EIS) との統合をサポートします。リソースアダプタは、ベンダー固有のブリッジで、既存のシステムと J2EE をリンクします。

J2EE ツールのベンダーとシステムインテグレータは、JCA (J2EE Connector API) を使用して、任意の J2EE 製品に埋め込まれるレガシーシステムへのアクセスをサポートするリソースアダプタを作成します。リソースアダプタはソフトウェアコンポーネントであり、これによって J2EE アプリケーションコンポーネントは基盤リソースマネージャにアクセスしたり操作したりします。リソースアダプタはリソースマネージャに固有なので、通常、データベースまたは EIS のタイプごとに個別のリソースアダプタがあります。

JCA アーキテクチャは、リソースアダプタが、トランザクション、セキュリティ、リソース管理などの J2EE 製品へのプラグインをサポートする必要があるという、一連の規約を定義しています。

Java Authentication and Authorization Service 1.0

JAAS (Java Authentication and Authorization Service) は、J2EE アプリケーションが特定のユーザーまたはユーザーグループの承認および認証を行う方法を提供します。JAAS は、標準 PAM (Pluggable Authentication Module) フレームワークの Java プログラミング言語バージョンであり、Java 2 プラットフォームのセキュリティアーキテクチャを拡張してユーザーベースの認証をサポートします。

Java Naming and Directory Interface

JNDI (Java Naming and Directory Interface) は、ネーミングサービスとディレクトリサービスの規格です。アプリケーションは JNDI に基づき、ネットワークの分散型コンポーネント (EJB) およびその他のリソース (データソース、リソースアダプタ、JavaMail、JMS など) を検索します。JNDI は JRun アーキテクチャの主要テクノロジーです。

Common Object Request Broker Architecture 対応

J2EE は、JavaIDL と RMI-IIOP という 2 つの CORBA (Common Object Request Broker Architecture) 対応テクノロジーをサポートしています。

CORBA とは、分散型オブジェクトシステムを記述する統一規格です。この規格は、プラットフォーム、言語、およびベンダーから完全に中立しており、上級ミドルウェア開発、言語間のサポート、およびレガシー統合に便利な、さまざまな重要なテクノロジーを組み込みます。

Java Integration Definition Language

Java IDL (Integration Definition Language) を使用して、リモートの CORBA オブジェクトにインターフェイスを定義します。インターフェイスはオペレーティングシステムやプログラミング言語に依存しません。Java IDL により、分散型オブジェクトは CORBA サービス全般を使用できます。J2EE は CORBA と完全に互換性があります。

Java RMI (Remote Method Invocation) と RMI-IIOP

Java RMI (Remote Method Invocation) とは、他のコンピュータからリモートでメソッドを起動するメカニズムです。これを使用すると、プロセス間の通信が可能になり、その他の通信関連サービスも提供されます。RMI-IIOP は移植可能な拡張 RMI であり、通信プロトコルとして IIOP (Internet Inter-ORB Protocol) を使用します。IIOP は J2EE アプリケーションと CORBA システムの統合にも必要です。