JRun での EJB の使用

このセクションでは、JRun の EJB アーキテクチャに固有の機能について説明します。

JRun EJB アーキテクチャ

次の図に示すように、JRun EJB アーキテクチャの特徴は、それぞれが特定の領域を管理する一連のインターセプタです。

スタブレスデプロイ

JRun EJBの主な機能の 1 つは、スタブレスデプロイです。JRun の EJB のデプロイツールはありません。EJB をコンパイルして JAR ファイルにパッケージし (オプション)、コンパイルされた EJB インターフェイスをクライアントにコピーし、その場所をクライアントのクラスパスに定義します。JRun インスタンスプロキシでは、以前はスタブで管理されていた機能を処理します。

デプロイオプション

JRun には、bean の開発やデプロイを容易にする柔軟な EJB デプロイモデルが用意されています。次の表で、このデプロイモデルの機能を説明します。
デプロイ機能
説明
ホットデプロイ
ホットデプロイを有効にすると、JAR ファイルまたはディレクトリ構造をデプロイディレクトリにコピーすることによって EJB をデプロイできます。デフォルトでは、JRun サーバのルートディレクトリがホットデプロイ用に設定されます。この
機能をテストするには、samples JRun サーバを起動し、EJB を <JRun のルートディレクトリ>/servers/samples ディレクトリにコピーします。
ホットデプロイを有効にすると、JRun デプロイヤは EJB デプ
ロイメントディスクリプタへの変更を検出し、bean を自動的にリデプロイします。
また、Sun リファレンス実装および JRun 3.1 を含む他のアプリケーションサーバ用に作成された EJB もデプロイされます。
JAR やオープン
ディレクトリからの
実行
JRun では、JAR ファイルまたはオープンディレクトリ構造から EJB を実行できます。JRun デプロイヤは、META-INF/ejb-jar.xml ファイルを検出すると、ファイルに指定されている EJB をデプロイします。オープンディレクトリ構造から実行できると、従来の EJB デプロイ処理とリデプロイ処理で必要だった多くの手順を省略できるので、EJB 開発サイクルでは特に有効です。

JRun EJB デプロイメントディスクリプタ

ejb-jar.xml ファイルでの標準設定に加えて、JRun では、JRun EJB デプロイメントディスクリプタで JRun 特有の設定を行うことができます。ほとんどの J2EE アプリケーションサーバには、サーバ特有のディスクリプタが含まれます。jrun-ejb-jar.xml が JRun EJB デプロイメントディスクリプタです。jrun-ejb-jar.xml ファイルには、次のタイプの情報が含まれます。

jrun-ejb-jar.xml ファイルの詳細については、JRun ドキュメントのホームページで利用できるオンラインディスクリプタドキュメントを参照してください。

EJB クラスタリング

クラスタの一部である JRun サーバで EJB を実行すると、ロードバランスおよびフェイルオーバーが有効になり、性能および信頼性が高まります。

JRun は、デフォルトで EJB クラスタリングを有効にします。EJB クラスタリングを無効にするには、jrun-ejb-jar.xml ファイルの cluster-home 要素と cluster-object 要素を false に設定します。

メモ:  EJB クラスタリングは、ローカル bean では有効化されません。

詳細については、『JRun 管理者ガイド』を参照してください。

XDoclet

JRun は XDoclet と統合できます。XDoclet は、EJB、Web アプリケーション、および JSP タグライブラリのコードおよびデプロイメントディスクリプタを生成するオープンソースツールです。多くのアプリケーションサーバでは、基本的な XDoclet タグで記述されている XDoclet および EJB のサポートを追加しています。XDoclet タグはサーバ間で移植可能です。

特に EJB では、XDoclet を使用して次のタスクを実行できます。

XDoclet が実行する処理を制御するには、bean 実装で jrun.xml 属性と JavaDoc スタイルのコメントを組み合わせて使用します。

XDoclet を使用した EJB の開発の詳細については、弟 14 章、「EJB プログラミングテクニック」を参照してください。

エンタープライズデプロイウィザード

JRun エンタープライズデプロイウィザードによって、EJB の開発およびデプロイ処理が簡素化されています。Swing ベースのグラフィカルユーザーインタフェースを使用すると、あらゆるタイプの EJB を作成したり、既存の EJB のデプロイメントディスクリプタを編集して JAR ファイルにパッケージし、JRun にデプロイしたりすることができます。特に、エンタープライズデプロイウィザードのオブジェクト/関連マッピング機能では、エンティティ bean の開発処理を簡素化できます。

エンタープライズデプロイウィザードは、スタンドアローンのツールとして実行されるか、Borland JBuilder、Sun Forte、または IntelliJ IDEA のプラグインとして実行されます。

エンタープライズデプロイウィザードを起動するには、<JRun のルートディレクトリ>/bin ディレクトリの jrunwizard を実行します。

詳細については、エンタープライズデプロイウィザードのオンラインヘルプを参照してください。