JCA (Java Connector Architecture)

JCA (J2EE Connector Architecture) には、EIS (Enterprise Information System) を J2EE アプリケーションに統合するための標準的な方法が用意されています。JCA コネクタ (リソースアダプタとも呼ぶ) は、SAP R3 などの ERP アプリケーション、レガシーシステム、データベースにアクセスする、EIS 固有のコンポーネントです。リソースアダプタは通常、EIS ベンダーによって供給され、サーバと統合し、セキュリティやトランザクションを実現します。また、クライアントアプリケーションと統合したりするためのサービスとインターフェイスを提供します。

エンタープライズアプリケーションが EAR ファイルにパッケージされているのと同様に、リソースアダプタもリソースアーカイブ (RAR) ファイルにパッケージされています。このファイルには、デプロイメントディスクリプタ (META-INF/ra.xml ファイル内) および JRun 固有のデプロイメントディスクリプタ (META-INF/jrun-ra.xml ファイル内) が含まれています。JCA コネクタの RAR ファイルは、エンタープライズアプリケーション、Web アプリケーション、および EJB と同様にデプロイされます。

実行時、JRun では、jrun-ra.xml ファイルの jndi-name 要素として指定されている JNDI にリソースアダプタを保管し、クライアントアプリケーションは、InitialContext.
lookup メソッドを使用してこれにアクセスします。JDBC、JMS、および JavaMail の InitialContext.lookup と同様に、EIS 固有の API へのクライアントアクセスを可能にするファクトリが返されます。オプションで、リソースアダプタによって、CCI (Common Client Interface) を介した EIS へのクライアントアクセスも提供されます。これによって、ベンダー固有の機能へのクライアントアクセスの標準化 API が指定されます。

コネクタは JDBC データソースとして使用できます。blackbox-notx.rar サンプルファイルに含まれているコネクタは、この使用方法を示しています。

blackbox-notx.rar コネクタを使用するには

  1. RAR ファイルを解凍します。このディレクトリには、META-INF ディレクトリに blackbox-notx.jar ファイルとデプロイメントディスクリプタがあります。
  2. META-INF/jrun-ra.xml ファイルの connectionURL プロパティを変更します。値を既存のデータソースの URL に設定します。

    これで、ra.xml ファイルの対応するプロパティが書き換えられます。たとえば、PointBase サンプルデータベースの実行時に、次のサンプルコードに示すように jdbc:pointbase:server://127.0.0.1:9192/sample と指定します。

    ...
    <config-property>
       <config-property-name>ConnectionURL</config-property-name>
       <config-property-type>java.lang.String
    </config-property-type>
       
    <config-property-value>jdbc:pointbase:server://127.0.0.1:9192/sample</
    config-property-value>
    </config-property>
    ...
    
  3. jar ユーティリティを使用し、ファイルを再び RAR ファイルに圧縮します。
  4. RAR ファイルを JRun にデプロイします。ファイルをサーバのルートディレクトリにコピーするか (自動デプロイが有効な場合)、または JMC を使用します。
  5. 他の JDBC データソースへのアクセス方法と同じようにして、このデータソースにアクセスします。InitialContext.lookup メソッドを呼び出すには、jrun-ra.xml ファイルの jndi-name 要素に指定した値を使用します。

JRun Samples サーバにはこの RAR ファイルが含まれ、これを使用してサンプルデータベースにアクセスできます。